布上(ぬのかみ)城

(概要)
 西山城が仁科氏の南峰に対する、高瀬川右岸地方の守りの中心拠点という立場からすれば、山脚に並列する布上城等の城塞群を、戦略機能をもつ支城群とみることができよう。布上城は観勝院山城の西南約1.5Km。雨引山から東南に伸びる尾根上の、別名岩あらしと呼ばれる標高993mの険峻なピークに構えられた小砦である。ここに集まる三つの尾根の上部に空濠を設け、遠望すれば拳のように見えるピークに主郭がある。主郭は相接する二つの小曲輪から成っているが、特徴といっていいのは、西の曲輪の内部が掘りこまれて深い凹地となっていることである。天水溜めであるのかあるいは小屋などの施設を隠蔽する目的なのか興味が持たれるところである。(信州の山城信濃史学会編転記)
(アクセス&探索コ-ス)
 県道306号を安曇野ちひろ美術館の前を通り、大町方面に1.1km進んだ交差点を左折する。そこから1km入ると伊の神霊園に着く。
 布上城跡は伊の神霊園から見える三角錐形の山頂にある。登る経路ははっきりした道がなく、山頂近くは急峻だ。私は、伊の神霊園手前の坂を上がった突き当たりから入る。そこから暫く平坦な道が続くが、次第に急坂になり危険を感じて、直登は無理と判断し尾根方向に迂回する。何とか山頂の布上城主郭跡に達する。帰路は尾根伝いに進み、往路よりは楽に歩けた。途中砂岩帯があり、両サイドが開けていて、松川村、布上城跡が良く見える。そこから程なく伊の神霊園の入口付近に出る。 Map


布上城跡往路取りつき
伊の神霊園手前の坂を上がった突き当たりに踏み跡がある。
布上城跡
取りつきから暫く平坦な道が続くが、次第に急坂になり、直登は無理と判断し尾根方向に迂回する。尾根伝いに進み、布上城跡直前の急坂を登ると布上城跡に出る。城跡の周りは急峻な斜面で、攻めるには手強そうだ。
堀切
城跡は郭部分が掘切で仕切られている。左右は急峻な斜面となっている。
松川村方向
砂岩帯で木が生えてなく、松川村方向が開けている。
布上城跡方向
尾根上の砂岩帯から布上城跡方向を望む。
下山口
布上城跡から尾根伝いに下りると、時々道ははっきりしないが、往路よりは楽に歩け、伊の神霊園入口付近に出る。

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