青森マラソンとトムラウシ登山

青森マラソンとトムラウシ登山

はじめに

 5月13日の仙台国際ハ-フマラソンを走ったため、全国で未出走県が青森県を含めて4県になった。そこで青森マラソンが7月1日に開催されることを知り、早速4月2日にエントリ-する。折角青森までお金をかけて行くので、北海道で残された100名山トムラウシをスケジュ-ルの中に入れることにする。トムラウシは昨年8月29日に2回目の挑戦をしたが、大雨のため断念した。その時のメンバ-3人に声かけて、7月2日にリベンジすることで纏まる。私は病みあがりで、2ヶ月程全く運動してなく心配だ。北海道、東北地方は梅雨前線の影響で悪天が続いているのも気懸りだ。既に飛行機、宿泊すべての手配を済ませているので、予定通り決行する。


2018年6月30日(土) 晴
 中萱駅(6:40 16分) ⇒ 松本バスタ-ミナル(6:56-7:20 3時間18分) ⇒ 新宿駅(10:38-10-50 48分) ⇒ 羽田空港(11:38-13:15 1時間15分) ⇒ 青森空港(14:30 10分) ⇒ 青森空港オリックスレンタ-カ(14:40-14:54 31分) ⇒ 合浦公園(15:25-15:35 15分) ⇒ 浅虫温泉(15:50-16:10 40分) ⇒ 夏泊崎(大島)(16:50-17:10 1時間10分) ⇒ 青森センタ-ホテル(18:20)

 この日は晴れ間が覗き、雲も適当にあるので、気温程暑さを感じなかった。明日のマラソン後、札幌便の時間に余裕がなかったので、レンタ-カ-を利用することにする。青森空港タ-ミナル傍のオリックスレンタルカ-で手続きを済ませ、15時頃空港を出発する。空港を出るとすぐにゲ-トがあり、150円(軽四)徴収される。マラソン受付会場合浦公園に30分程で着き、前日受付を済ます。ホテルに直行するには早すぎるので、浅虫温泉に出かける。道の駅ゆ〜さ浅虫で時間を潰し、夏泊半島の先端の夏泊崎までドライブする。歩行者専用橋を渡り、大島へ行くが何の変哲もない島だった。津軽半島が西方に、下北半島が北から東にかけて良く見えた。そこから1時間程で青森市街地に戻り、青森駅に近い青森センタ-ホテルにチェックインする。夕食は津軽三味線の生演奏が聞ける居酒屋りんご箱で済ます。


2018年7月1日(日) 曇時々晴、のち雨
 青森センタ-ホテル(7:00 30分) ⇒ 合浦公園(7:30-11:55 15分) ⇒ 青森センタ-ホテル(12:10 54分) ⇒ 青森空港(12:55-14:10 55分) ⇒ 新千歳空港(15:05-15:30 28分) ⇒ 千歳東IC(15:58 1時間20分) ⇒ 十勝清水IC(17:18 1時間2分) ⇒ 東大雪荘(18:20)

 今日は曇時々晴の天気で、多少暑さを凌げる。マラソン会場近くの駐車場が満車にならないよう、ホテルを7時過ぎに出発する。7時半頃青森マラソンのスタ-トゴ-ル地点合浦公園に着く。マラソンスタ-トが9時半で、車の中で待機する。参加規模が大きくないので、スム-ズにスタ-トする。しかしながら、病みあがりの体力低下の影響は走り始めてすぐに現れ、5Km付近の最初の折返しまで走るのが精一杯だった。このまま走り続けても、早々制限関門にひっかかるのは必至で、そこで棄権をした。明日のトムラウシ登山のためと、前向きにとらえることにした。収容車に乗り合浦公園に戻る。近くの海岸に出て時間を潰し、ゴル地点で女房のフィニッシュを待つ。11時40分頃のゴ-ルで年代別7位だった。11時55分会場を後にして、女房は温泉で汗をながすため、昨夜宿泊した青森センタ-ホテルまで送る。女房はその日のうちに陸路で自宅に帰る。私はトムラウシ登山のため、空路北海道へ行くため、青森空港に向かう。途中から突然の雨となる。新千歳空港も雨の中の到着となる。3人の仲間と合流して、トムラウシ登山の拠点東大雪荘へ、雨中のドライブとなる。18時前に到着したが、雨は降り続いて止む気配がない。インタ-ネットで天気予報を見ると、夜半から登山判定Aになっていた。食事と温泉で英気を取戻し、予定どおりの3時出発と決め早寝する。


2018年7月2日(月) 曇のち雨
 国民宿舎東大雪荘(3:03 23分) ⇒ トムラウシ短縮コ-ス登山口(3:26-3:40 25分) ⇒ 温泉コ-ス分岐(4:05 46分) ⇒ カムイ天上(4:51 1時間57分) ⇒ コマドリ沢(6:48 32分) ⇒ 前トム平取付標識(7:20 35分) ⇒ 前トム平(7:55 46分) ⇒ トムラウシ公園(8:41 1時間8分) ⇒ 十勝岳分岐(9:49 44分) ⇒ トムラウシ山頂(10:33)

天気予報どおり曇ながら、雨は完全にあがっていた。トムラウシ短縮コ-ス登山口まで車で行き、そこを3時40分に出発する。トムラウシ山は標高2,141mで決して高くないが、ここから山頂までの標高差1,181m、距離9.2Kmあり、結構ハ-ドな登山だ。カムイ天上までは泥んこ状態の登山道を、スリップと登山靴の浸水に気をつけながら、ジグザグ歩行を余儀なくされる。熊笹を中心とした低灌木帯で覆われている。25分で温泉コ-ス分岐を通過し、1時間10分でカムイ天上に達する。トムラウシ短縮コ-ス登山口から温泉コ-ス分岐まで1.1Km、カムイ天上は通過点で前トム平まで6.6Kmの長丁場だ。
 カムイ天上から泥んこの登山道と、木道の単調な上りとなる。そこから下りが続き、その先に急勾配の雪渓が現れる。そこを下りきるとコマドリ沢分岐まで歩き易い雪の巻道となる。ペンキとテ-プで表示があるため迷うことはない。コマドリ沢まで下り、沢は難なく渡れた。そこから本登山一番の長い雪渓の上りとなる。アイゼンは無くても良さそうだが、登り易くするためアイゼンを装着した。雪渓上部の前トム平取付標識から前トム平まで砂礫帯の急登となる。ロ-プで区画されているので、安心して歩ける。私は35分で何とか前トム平につくが、息のあがりで体力低下を全身で感じる。連れに引返すかといわれるが、その選択はない。視界が開けるが、ガスッて近回りしか見えない。ここから先山頂まで、残すところ2.6Kmだ。はい松とガレ場のゆるやかな稜線を暫く進むと、急な岩場にぶつかる。そこを上りきると、トムラウシ公園の池と点在する雪渓群が眼下に広がる。トムラウシ公園内はロ-プで通路を指定されているが、雪渓と小川の横断のため外れざるを得ない。この付近から早時期の高山植物が群落する。特にシャクナゲの可憐な白い小さな花が目を癒す。ここのシャクナゲは地を這って低木で可愛い。他にチングルマ、エゾツツジ、エゾノツガザクラ、エゾノハクサンイチゲ、チシマノキンバイソウ等に出会う。ゆるやかな開けた登山道を1時間程かけて進むと十勝岳分岐だ。そこから急登の岩場となるが、山頂まで後わずかで多少余裕が生まれる。それでも40分を要し、山頂に着くまで非常に長く感じる。10時33分登頂で、トムラウシ短縮コ-ス登山口から7時間近くかかる。トムラウシ山頂(2,141m)はガスの中で何も見えない。
 遅い朝食を摂っていると、時折ガスが消えて十勝連峰が姿を現す。十勝岳に繋がる稜線の左端に、はっきり美瑛富士を確認する。大雪山系の主峰旭岳方向は、ほんの僅かだけしか見えず。山頂は我々4人と男2人連れ、女2人連れの8人だけだ。

 トムラウシ山頂(10:59 39分) ⇒ 十勝岳分岐(11:38 51分) ⇒ トムラウシ公園(12:29 37分) ⇒ 前トム平(13:06 27分) ⇒ 前トム平取付標識(13:33 16分) ⇒ コマドリ沢(13:49 1時間51分) ⇒ カムイ天上(15:40 50分) ⇒ 温泉コ-ス分岐(16:30 30分) ⇒ トムラウシ短縮コ-ス登山口(17:00-17:05 20分) ⇒ 国民宿舎東大雪荘(17:25)

 30分程山頂に留まり下山を開始する。トムラウシ公園まで、十勝岳方向のガスはほゞ無くなり、快適な山歩きとなる。そのあたりから、水滴が顔にあたるようになる。前トム平から再び回復したが、一番長い雪渓を下りきったコマドリ沢から本格的に降り始める。体力低下の私は、集団から遅れぎみとなり、つらい時間を過ごすことになる。カムイ天上まで一旦上るが、なかなか登りきれない。そこからの下りが、上りの反動で思うように進まない。カムイ天上が遠い。どろんこの登山道が疲れに拍車をかける。這う這うの体でカムイ天上につくと、先行の仲間が待っていてくれた。先が見えたので、多少元気がでる。萎える気持ちを維持するのが精一杯だ。温泉コ-ス分岐まで長かったが、その先1Kmも気持ちが先行して何倍にも感じた。6時間を要して、ようやくトムラウシ短縮コ-ス登山口につく。登山靴は泥だらけ、雨具は着るタイミングを逃し濡れネズミだ。またブヨ、カの数が半端ではなく、いらいらさせる。早々に車に乗込み、東大雪荘に急ぐ。車と登山靴を洗い、ようやく落ち着く。温泉と夕食のビ-ルが登山後の至福の楽しみだ。皆布団に入ると直ぐ静かになり、今日1日が終わる。


2018年7月3日(火) 雨
 国民宿舎東大雪荘(7:46 1時間16分) ⇒ 十勝清水IC(9:02 1時間25分) ⇒ 千歳東IC(10:27 43分) ⇒ クイックレンタ-カ-新千歳空港(11:10-11:30 20分) ⇒ 新千歳空港(11:50-14:30 1時間35分) ⇒ 羽田空港(16:05-16:28 42分) ⇒ 新宿駅(17:10-17:25 3時間08分) ⇒ 松本IC(20:33)

 早朝温泉に行くと、激しい雨と、川の音にびっくりする。露天風呂の横を流れる川は、水量が増し濁流となっている。雷のような音が川底から響いている。心配になり、フロントで帰りの道路状況を聞くと、今は大丈夫だが早く帰った方が良いと云われる。帰り支度を急いで整え、7時からの食事を済ますと、早々に帰宅の途につく。所々道路が川状態になっているが、心配するほどではない。途中蛇を咥えた痩せたキタキツネに出会う。十勝川は水量が増し、濁流となって流れている。往きはかなり十勝ダムの底が見えていたが、それも見えなくなっている。平日で天気も悪いので車が少なく、千歳東ICまで3時間弱で着く。レンタ-カ-を返し、空港に着いたのが11時前だ。札幌ラ-メンを食べ、14時から15時にかけてそれぞれの家路につく。


高山植物
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ショウジョウバカマ


撮影日:2018年7月2日
撮影地:トムラウシ公園
     〜十勝岳分岐
科/属:シュロソウ/ショウジョウバカマ

キバナシャクナゲ


撮影日:2018年7月2日
撮影地:トムラウシ公園
     〜十勝岳分岐
科/属:ツツジ/ツツジ

エゾコザクラ


撮影日:2018年7月2日
撮影地:トムラウシ公園
     〜十勝岳分岐
科/属:サクラソウ/サクラソウ

エゾツガザクラ


撮影日:2018年7月2日
撮影地:トムラウシ公園
     〜十勝岳分岐
科/属:ツツジ/ツガザクラ

エゾノハクサンイチゲ


撮影日:2018年7月2日
撮影地:トムラウシ公園
     〜十勝岳分岐
科/属:キンポウゲ/イチリンソウ

チングルマ


撮影日:2018年7月2日
撮影地:トムラウシ公園
     〜十勝岳分岐
科/属:バラ/ダイコンソウ

キバナシャクナゲ


撮影日:2018年7月2日
撮影地:トムラウシ公園
     〜十勝岳分岐
科/属:ツツジ/ツツジ

チシマキンバイソウ


撮影日:2018年7月2日
撮影地:トムラウシ公園
     〜十勝岳分岐
科/属:キンポウゲ/キンバイソウ

ミヤマキンバイ


撮影日:2018年7月2日
撮影地:トムラウシ公園
     〜十勝岳分岐
科/属:バラ/キジムシロ

イワウメ


撮影日:2018年7月2日
撮影地:トムラウシ公園
     〜十勝岳分岐
科/属:イワウメ/イワウメ