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信州楽々100名山

はじめに

 今回の旅行は、神奈川と大阪の友人から信州で楽に登れる100名山に行きたいとの提案からスタ-トする。その中で、蓼科山が7合目から2時間程で登れるので、即決で決定する。参加メンバ-は、最近何回か同行した登山仲間5人です。2人からせっかく信州まで行くので、1日延泊したい申し出があり、2泊3日の旅となる。但し1人は都合により1泊2日となる。日程調整の結果、工程は9月3日(土)から5日(月)となる。8月中頃に計画案を作成して是非を問う。計画のコンセプトは、長野県で登山口の標高が高く登り易い蓼科山と乗鞍岳をメインの登山としたことです。計画の概要は、1日目は入笠山登山、2日目は蓼科山登山、3日目は乗鞍岳登山で、最近のぐずついた天気を想定して、1日目は横谷渓谷又は諏訪散策、2日目は小諸・軽井沢散策、3日目は乗鞍3瀑布巡りを雨天時の代替え観光地とした。8月18日に1日目の宿泊地を奥蓼科、2日目の宿泊地を白骨温泉で確保する。その後、神戸の友人の参加申し込みがあったり、神奈川の友人のコロナによるリタイアがあった。結局、メンバ-の変更はあったが、当初の人数5人で予定どおり決行する。
 旅行日は、大型台風11号と秋雨前線のため、あまり良い天気が期待出来ないことを覚悟してスタ-トする。案の定1日目は晴れたり、曇ったり、にわか雨が降ったりの目まぐるしい天気となる。入笠山登山は展望がないので、代替地横谷渓谷の遊歩道を巡ることにする。遊歩道入口付近で雨が降りだしたので、歩くことは断念して、拠点拠点の名所を車で行くことにする。途中、大した雨に会わずに予定した観光名所を回ることが出来た。ただ、明日の蓼科山登山が心配になる。
 2日目の朝起きてみると、快晴の天気だ。どうやら長野県は雲の隙間地帯となっているようだ。蓼科山7合目登山口に着いてみると殆ど満車状態で、辛うじて潜り込む。山頂では時折ガスが発生して、下界の展望は今一つだった。私は蓼科山7合目登山口に折り返して、蓼科登山口側に下山した他のメンバ-を車で迎えに行く。全員無事完登して、今夜の宿白骨温泉に向かう。
 3日目も快晴の天気となり、どうやら殆ど計画どおりで旅を終えそうだ。乗鞍バスターミナルに車を置き、畳平までのバスに乗りかえる。畳平では日差しがきついが、心地良い風が吹き、絶好の登山日和だ。展望が良い稜線沿いを肩の小屋まで行くと、ここから本格的な登山となる。前方の視界が開けているから、不安なく歩ける。ガレバを暫く進み、剣が峰に続く二股からの急坂を登ると乗鞍岳最高峰剣ヶ峰に着く。山頂標識前は写真待ちで混雑していた。復路は肩の小屋から肩の小屋口に下る。予定どおりの時間のバスに無事乗込む。
 乗鞍バスターミナルで昼食を済ませ、途中お土産屋に立ち寄り、松本駅まで送る。想定外の混雑に会い、松本駅には予定電車の出発3分前に着く。辛うじて駆け込みセ-フで、無事乗車する。
 本旅行は高止まりのコロナ禍の中で実施され、コロナによりやむなく不参加者が出てその影響を受けた。しかし、この条件下の中で天気に恵まれ、満足の行く山行を終えた。また、長野県人対象の信州割、全国対象の茅野割があり、5人で3万円の宿泊補助と1万3千円の買物券という望外の恩恵に預かった。


2022年9月3日(土) 晴れたり、曇ったり、にわか雨
松本駅(12:04 15分) ⇒ 野麦屋(12:20-13:00 9分) ⇒ 松本IC(13:09 23分) ⇒ 諏訪IC(13:32 37分) ⇒ 乙女滝(14:09 21分) ⇒ 横谷観音駐車場Map(14:30) ⇒ 横谷観音展望台(14:41) ⇒ 王滝(15:01-15:04 20分) ⇒ 横谷観音展望台(15:24 7分) ⇒ 横谷観音駐車場(15:31 19分) ⇒ 御射鹿池(15:50-15:56 11分) ⇒ おしどり隠しの滝(16:07-16:13 12分) ⇒ 渋御殿湯旅館Map(16:25)

 松本駅に12時03分着のしなので到着する。昼食を予約していた近くにある蕎麦屋の野麦屋で頂く。天気が良いので、予定通り入笠山に行くことにする。松本ICから長野自動車道に入ると、みどり湖PAあたりから断続的な雨に会う。遠くの山並みも雲に覆われ、見通しがきかない。横谷渓谷又は諏訪散策に変更することを全員に図る。相談の結果、諏訪散策は既に観光済の者が多く、横谷渓谷に決定する。諏訪ICを出て、横谷峡入口から少し入った乙女滝に向かう。乙女滝に着くころから雨足が速くなる。乙女滝を見物したが、そこから続く遊歩道を歩くことは断念する。そのため、遊歩道途中にある王滝は車で横谷観音入口まで行き、そこから横谷観音経由で遊歩道を歩くことにする。横谷観音近くの横谷観音展望台から小さく王滝が見下ろせる。横谷観音に着く頃には、殆ど雨はあがった。そこから王滝に続く急な階段を王滝展望台まで下る。王滝は雨のため、普段より水量が多く見ごたえがあった。
 帰路は往路の遊歩道と周回になっている遊歩道を直進し元に戻る。途中、次の目的地おしどり隠しの滝に続く道があったが、誰も歩くとは言わなかった。後で考えるとそれが幸いした。横谷観音経由で横谷観音駐車場に戻り、おしどり隠しの滝がある明治温泉旅館に向かう。県道191号から明治温泉旅館に入る道の先の御射鹿池に立ち寄る。この池は東山魁夷の作品「緑響く」のモチーフになったことで一躍有名になり、この日も大勢の観光客が訪れていた。
 本日最後の目的地の明治温泉旅館裏にあるおしどり隠しの滝に行く。旅館横を下ると裏手にその滝はある。おしどり隠しの滝はかなり水量が増しており、ここに続く遊歩道は一部水没していた。ここまで歩かなくてよかったと、誰ともなく言った。渋御殿湯旅館は県道191号のどん詰まりにある温泉宿です。着いた時には晴れ間が覗いていた。明日の天気は期待出来そうだ。ゆっくり温泉に浸かり、明日の英気を養う。


2022年9月4日(日) 晴
渋御殿湯旅館(7:30 55分) ⇒ 蓼科山七合目登山口_1,900mMap(8:25-8:33 13分) ⇒ 馬返し(8:46 54分) ⇒ 蓼科山荘(9:40-9:59 27分) ⇒ 蓼科山頂ヒュッテ(10:26 4分) ⇒ 蓼科山_2,530m(10:30-11:21 2分) ⇒ 蓼科山頂ヒュッテ(11:23 21分) ⇒ 蓼科山荘(11:44 42分) ⇒ 七合目登山口(12:26)
 七合目登山口(12:30 12分) ⇒ 女神湖(12:42-12:49 19分) ⇒ 蓼科山登山口_1,720mMap(13:08)
蓼科山登山口(14:30 51分) ⇒ 諏訪IC(15:21 22分) ⇒ 松本IC(15:43 59分) ⇒ 白骨温泉つるや旅館Map(16:42)

 渋御殿湯旅館の7時の朝食を済ませ、記念写真を撮り7時30分に宿を立つ。この温泉宿は天狗岳の登山口にあり、登山用駐車場に数台駐車しており、登っている人を見かける。県道191号(湯みち街道)、国道299号(メルヘン街道)を経由して国道192号(ビーナスライン)に入る。蓼科山登山口前を通過して女神湖手前の信号から蓼科スカイラインに入り、8時25分に七合目登山口駐車場に着く。その時間帯は既に駐車場は満杯状態で、道路上にも駐車していた。幸いどういうわけか、鳥居近くの最も登山口に近い場所が空いていた。登山支度を整え8時33分に登山口の鳥居を超える。
 馬返しまではなだらかな笹原の樹林帯を進む。そこを過ぎると、次第に傾斜がきつくなり、石ころが多い登山道となる。ただ、栂やシラビソの森林の中を登っていくので涼しい。馬返しから45分程進んだ、やや広めのガレ場から女神湖が一望出来た。そこから10分程行くと蓼科山荘が見えてくる。蓼科山荘には登山口から1時間7分のほぼ標準タイムで到着する。同行者も10分の範囲以内でやって来る。そこでコーヒタイムとする。
 その場所は将軍平と呼ばれ、蓼科山山頂、七合目、大河原峠、天祥寺原下山口の分岐となっている。ここからが蓼科山登山の核心部です。蓼科山荘を出ると直ぐに大きな岩がゴロゴロしている急斜面の登山道となる。手足を使って攀じ登る感覚だ。やがて岩に黄色字で書かれた頂上まで十五分のところに達する。ここがほぼ中間点にあたる。
 山頂直下にある蓼科山頂ヒュッテまで蓼科山荘から27分の10時26分に到着する。さらに4分で蓼科山山頂(2,530m)に着く。蓼科山山頂部は岩だらけの広い平原です。真中の最底部に蓼科神社奥宮があり、更に進むと展望の良い展望台に出る。この日は生憎遠くの山並みは雲の中だった。山頂部は時折りガスで一瞬見えなくなる。
 下山ル-トは、私は折り返して7合目登山口に戻る。他のメンバ-は蓼科登山口側に下山する。蓼科山頂ヒュッテ手前の分岐で別れる。私は1時間7分で7合目登山口に着く。そこから蓼科登山口側に下山したメンバ-を車で迎えに行く。蓼科登山口側は多少時間を要するので、女神湖で時間調整する。蓼科登山口には13時頃到着する。待つこと1時間半程で全員下山する。分岐から2時間半から3時間要し、かなりハードな下山だったようだ。ここから今夜の宿泊場所白骨温泉つるや旅館に移動する。


2022年9月5日(月) 晴
白骨温泉つるや旅館(8:00 35分) ⇒ 乗鞍観光センタ-Map(8:35-9:00 50分) ⇒ 乗鞍山頂畳平(9:50)
鶴ヶ池駐車場(9:56 34分) ⇒ 肩の小屋(10:30-10:33 50分) ⇒ 剣ヶ峰_3,026m(11:23-11:35 38分) ⇒ 肩の小屋(12:13-12:25 31分) ⇒ 肩の小屋口(12:56)
肩の小屋口(13:09 46分) ⇒ 乗鞍観光センタ-(13:55-14:30 1時間20分) ⇒ 松本駅(15:50)

 昨日と同様7時から食事を摂り、8時につるや旅館を出発する。林道安曇奈川線で乗鞍観光センターに向かう。途中展望広場があり、白骨温泉と乗鞍岳が良く見えた。乗鞍観光センターに着くと、乗鞍岳が雲一つなく目の前に鎮座していた。
 当初予定通り9時のシャトルバスに乗り、9時50分に乗鞍山頂畳平に着く。登山準備をして鶴ヶ池駐車場を9時56分にスタ-トする。鶴ヶ池を左手に見ながら富士見岳上り口に至る。富士見岳の巻き道を暫く進むと、右側に不消ヶ池があり、右手に下りるとお花畑に続く。そのあたりから、多少時期を逸するが高山植物が点在する。女王の優雅さは既にないがコマクサもあった。
 摩利支天岳分岐を直進すると、本の先に肩の小屋が見えてくる。肩の小屋には34分で到着する。ここからが本格的な登山となる。剣ヶ峰口で記念写真を撮り、火山礫で覆われた登山道を歩き始める。朝日岳に隠れて山頂部はまだ見えない。朝日岳を巻いて稜線に出ると剣ヶ峰と権現池が姿を現す。
 歩き易い稜線を暫く剣ヶ峰を見ながら進むと、乗鞍本宮の祠前に出る登山道と鳥居に通ずる登山道の分岐に達する。そこから急坂の瓦礫が密集する登山道となる。最後のふんばりで、無事乗鞍岳最高峰剣ヶ峰(3,026m)の登頂を果たす。さっそく、乗鞍本宮の祠前山頂標識前で祈念写真を撮る。山頂は時折りガスが発生し背後の山が隠れる。遠くの山は上部が雲に覆われ、山名の判別が難しい。雲がなければ、槍ヶ岳や穂高岳などの北アルプス連峰、東側に八ヶ岳、南東側に南アルプスと中央アルプスの全容が見えたはずだ。暫く登頂達成の余韻に浸り、10分余り留まって下山する。
 下山路を俯瞰しながら歩き始める。肩の小屋には38分で、後続も48分で到着する。ここから肩の小屋口まで下る。バスの予定時間があまりないので、殆ど休憩をとらず下山を始める。途中、穂先を赤く染めたチングルマの群生、リンドウ等高山植物を観賞しながらゆっくり歩を進める。また、小さな雪渓でこの時期まだ滑っているスキ-ヤを見かける。肩の小屋口にバス出発時間の13分前に着く。復路のシャトルバスはほぼ満席状態だった。乗鞍観光センタ-で遅い昼食摂り、松本駅に向けて出発する。途中新島々駅近くの直売店に寄り買物をする。余裕で松本駅発車時間に到着するはずが、意外に道路が混んでいて発車3分前に到着するはめになる。到着と同時に走り始め、何とか乗車出来たことを後で連絡を受ける。時間に追われた工程だったが、ほぼ計画どおりの天気に恵まれた旅を終えた。


高山植物

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イワギキョウ


撮影日:2022年9月5日
撮影地:乗鞍岳
科/属:キキョウ/ホタルブクロ
特 徴:花冠は鐘形5裂

イワツメクサ


撮影日:2022年9月5日
撮影地:乗鞍岳
科/属:ナデシコ/ハコベ
特 徴:葉が線形で先が細い

ウサギギク


撮影日:2022年9月5日
撮影地:乗鞍岳
科/属:キク/ウサギギク
特 徴:全体に軟毛

オンタデ


撮影日:2022年9月5日
撮影地:乗鞍岳
科/属:タデ/オンタデ
特 徴:不毛な砂礫地に群落

コバイケソウ


撮影日:2022年9月5日
撮影地:乗鞍岳
科/属:ユリ/シュロソウ
特 徴:

コマクサ


撮影日:2022年9月5日
撮影地:乗鞍岳
科/属:ケシ/コマクサ
特 徴:

サラシナショウマ


撮影日:2022年9月5日
撮影地:林道安曇奈川線展望広場
科/属:キンポウゲ/サラシナショウマ
特 徴:棒状

チングルマ


撮影日:2022年9月5日
撮影地:乗鞍岳
科/属:バラ/ダイコンソウ
特 徴:羽毛状の毛

トウヤクリンドウ


撮影日:2022年9月5日
撮影地:乗鞍岳
科/属:リンドウ/リンドウ
特 徴:

ミヤマアキノキリンソウ


撮影日:2022年9月5日
撮影地:乗鞍岳
科/属:キク/アキノキリンソウ
特 徴:

ミヤマゼンコウ


撮影日:2022年9月5日
撮影地:乗鞍岳
科/属:セリ/エゾシシウド
特 徴:

ヨツバシオガマ


撮影日:2022年9月5日
撮影地:乗鞍岳
科/属:ゴマノハグサ/シオガマギク
特 徴:四葉&花

立ち寄り温泉
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新型コロナウィ-ルス感染防止のため短縮営業している温泉施設があります。HP等で確認してお出かけ下さい。

蓼科共同浴場(0266-67-2100)Map

気軽に入れる共同浴場で、少し熱めのかけ流し温泉です。

 ・所在地:長野県茅野市北山蓼科4035-170
 ・浴室:内風呂
 ・方式:かけ流し
 ・泉質:Na-塩化物、硫酸塩温泉(58.6℃)
 ・営業時間:11:00~21:00
 ・休館日:無休
 ・入湯料:大人:500円
 ・観光スポット:北八ヶ岳坪庭、蓼科高原、聖光寺
 ・入浴日:2015年5月24日

乗鞍高原温泉湯けむり館(0263-93-2589)Map

内風呂と露天風呂から乗鞍岳を眺望することが出来る。温泉は乳白色で、細かな湯の花が舞う単純硫黄泉です。

 ・所在地:長野県松本市安曇乗鞍高原
 ・浴室:内風呂、露天
 ・方式:かけ流し、加温
 ・泉質:単純硫黄泉(46.4℃)
 ・営業時間:9:30~21:00(受付20:00)
 ・休館日:第3火曜又は第4火曜(祝日の場合は翌日)
 ・入湯料(新):大人:730円、6,280円11枚
 ・割引:道の駅に180円割引券
 ・観光スポット:乗鞍、上高地
 ・入浴日:2015年4月5日