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松代の山城と古墳巡り

はじめに

 本旅行は、明星山登山に同行した方からお誘いを受けて計画した、長野市の南南東に位置する史跡と文化財等が豊富な松代町の散策です。今回はメジャ-な史跡ではなく、古墳(クリック)山城(クリック)というマニアックな史跡巡りです。松代は知る人ぞ知る500基を超える日本一の大室古墳群と数多くの山城を有する。大室古墳群は五か所(北山、大室谷、霞城、北谷、金井山)に大小の古墳群があり、最も規模の大きい大室谷は国の史跡指定地となっている。山城は尼巌城とその支城と言われる霞城、金井城、寺尾城があり、その他にも清滝城、竹山城、天城城、鞍骨城等の数多くの山城がある。また平城ではあるが有名な松代城(海津城)もある。今回、同行者が私にお誘いのきっかけとなったのは、信濃毎日新聞に2023年1月18日に載った霞城跡の記事です。私は2021年2月21日に既に行っていた。そこで、今回私が案内することになったので、過去に行ったことのある近くの規模の大きい大室古墳群、霞城の主城と称される尼巌(あまかざり)城跡と奇妙山(清滝城跡)を加えることにした。その上に、私が行っていない世界最大のピラミッドと称する人がいる皆神山にある皆神神社を含めた計画とした。


2023年3月16日(木) 晴
 安曇野(7:00 1時間6分) ⇒ 大室古墳群Map(8:06-8:40 2分) ⇒ 大室古墳登山口(8:42 24分) ⇒ 霞城跡(9:06-9:15 56分) ⇒ 永福寺下山口(9:06-9:16 11分) ⇒ 永福寺登山口(9:27 10分) ⇒ 大室古墳群(9:40 9分)
岩沢駐車場(10:02 7分) ⇒ 岩沢登山口Map(10:09 20分) ⇒ 尼巌山・奇妙山分岐(10:29 21分) ⇒ 高見岩(10:50-10:53 27分) ⇒ 奇妙山(11:20-11:55 16分) ⇒ 高見岩(12:11-12:13 15分) ⇒ 尼巌山・奇妙山(12:28 28分) ⇒ 尼巌城跡(12:56-13:34 43分) ⇒ 池田の宮登山口(14:17 27分) ⇒ 岩沢登山口(14:44)
岩沢登山口(14:44 14分) ⇒ 清滝(14:58 25分) ⇒ 皆神神社Map(15:23-15:32 28分) ⇒ 松代国民宿舎(16:00-16:45 30分) ⇒ 更埴IC(16:15 1時間25分) ⇒ 安曇野(17:40)

 今日の天気は午前中は晴れて、午後から曇模様となる予報です。7時に同行者の車で出発する。安曇野ICを入ると、冠雪の北アルプスの山並みが良く見える。小一時間程走って長野ICを下り、国道403号を高速沿いに須坂方向へ進む。大室入口信号を右に入り暫く進むと、民家の密集する狭い道に入っていく。一度行っているが、ナビが無いとスム-ズに到達出来ないだろう。大室古墳館が冬季休業なので、ゲート入口付近に駐車する。大室古墳群は2度目だが、今回もその大きさに圧倒される。あまりに古墳が多いので、どの順路を進むか迷う。村東単位支群の最上部の古墳館から北アルプス、飯縄山方面の眺望はすばらしい。その横手の235号墳を通り、前回訪れていない少し離れた場所にある鳶岩単位支群の31~33号墳を見学する。一旦大室古墳群入口まで下がり、244号墳(将軍塚)、高速道路上にあり移築復元された23号墳等を巡り、霞城跡入口の大室古墳登山口に行く。
 大室古墳登山口は霞城跡に通じる4ル-ト(永福寺登山口、石門登山口、竜ノ口登山口、大室古墳登山口)の一つで最も長い。途中で奇妙山、尼巌山への分岐がある。登山道は緩やかに上り、右方向に下って行く。下りきって暫く進むと再び上り坂になり、やがて霞城跡のりっぱな石積が見える。手前に崩れた古墳がある。霞城は本郭、2郭~5郭からなり、周りを現在も当時の原形を留めている石垣で仕切られている。北西面の石垣は、特に見ごたえがある
 霞城跡の登山道は、大室の住民有志で環境整備がされていて、トレッキングコ-スとしても親しまれている。帰路は永福寺側へ下りる。北端は絶壁となっているので侵入は難しい。永福寺登山口ルートは最短で登れるが、その分急坂となる。また入口が解り難い。永福寺から大室古墳群まで徒歩で10分程です。
 奇妙山、尼巌山は大室古墳登山口からのルートもあるが、最短で登れる岩沢登山口から登ることにする。岩沢駐車場は、東条あんずの里の上部にあり、車3台程置ける。そこはかなり高台にあるので、遠くに北アルプス、直下にあんず畑が一望出来る。そこから5分程上ったところに岩沢登山口がある。防獣柵を開閉して奇妙山登山口に取りつく。杉林に囲まれた登山道を尼巌山・奇妙山分岐のある尾根筋まで一気に登る。
 そこを右折して暫く進むと出会いの石の分岐に出る。左からの登山道が大室古墳登山口からのルートとなる。そこから北尾根筋となり、両サイドの視界が開けているので、気分良く歩ける。やがて高見岩と名付けられた大岩のところに達する。そこから名前通りの高見の絶景が展望出来る。善光寺平が一望され、背後に北アルプスの峰々が連なる。
右側が絶壁の箇所を通過して、尾根筋をしばし進むと、台地上の一角が見えてくる。そこが奇妙山山頂(1,099.5m)である。山頂には清滝城跡があり土塁が残っている。北東、北西、南に伸びる尾根筋は堀切によって遮断されている。構造から烽火台、物見台と推測される。多少木々に邪魔されるが、尼巌山と善光寺平が俯瞰される。奇妙山は2021年5月30日に訪れていて1時間17分で登っているが、今回もほぼ同じの1時間11分で登頂出来た。
 次の目的地の尼巌山は尼巌山・奇妙山分岐まで下り、そこから登り返すことになる。分岐まで歩き易い登山道を足早に下る。尼巌山・奇妙山分岐からなだらかな尾根筋を暫く進むと、一気に急斜面となる。息があがりそうになるが、程なく尼巌山山頂(780.9m)に到着する。尼厳山は数多くのコースがある。代表的なコースは長礼・天王山登山口(2.03Km)、池田の宮登山口(1.58Km)、最短の岩沢登山口(0.96Km)、大室側登山口(2.2Km)等がある。今回は奇妙山登山を兼ねているので、必然的に岩沢登山口となる。尼巌山には尼厳(あまかざり)城があり、周りの霞城、金井山城、寺尾城はその支城と伝えられている。急峻な山頂一帯に、本郭、腰郭、堀切などの一部が残っている。山頂からの眺めは抜群で、遠くは北アルプスと飯縄山、近くは奇妙山、皆神山が見渡せ、川中島平とそこを蛇行する千曲川、犀川が一望出来る。
 帰りは、同じ道を通りたくないとの理由で、長礼・天王山登山口方向に下っていく。それが大きな間違いで岩沢駐車場まで大きな遠回りとなる。山頂からいくつかの堀切を横切り、巨岩のある岩場を通った先で池田の宮方向へ左折する。急坂を下ったところの南尾根分岐を右方向に下る。天王山古墳を通過した先で突然カモシカに遭遇しびっくりさせられる。旧尚和寮跡地から池田の宮方向へ左折する。暫く下ったところの防獣柵を開閉して、善源寺の墓地方向に進む。善源寺から遥か先の高台に見える岩沢駐車場に戻ることになる。上り坂を30分程かかって岩沢駐車場に到着する。
 次の目的地は皆神神社だが、近くに清滝があることを思い出し、ついでに行くことにする。この時期の清滝は水量が殆どなく岩肌が露出していた。そこから世界最大のピラミッドと称される皆神山にある皆神神社に行く。皆神山(659m)は円錐形の溶岩ドームで、独立山のため古来より霊山として信仰の対象となっている。この山は松代群発地震の震源地としても世界的に有名です。その山頂付近にある皆神神社は、奈良時代養老二年に奉祀された出速雄神社を起源として、創建1300年を迎える。本殿の右奥に熊野出速雄神社本殿がある。皆神神社に向かう中腹に岩戸神社があり、そこに皆神山ピラミッドの入口と書かれているそうだが、入口を見落とした。
 すべての予定を終え、長野ICに向かう途中にある松代国民宿舎で疲れと汗を流す。長野ICに入る所を間違え更埴ICまで行ってしまい、多少時間のロスがあったが無事安曇野へ17時40分頃帰還する。