トムラウシ山



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トムラウシ山(2,141m)

はじめに

 7月1日の青森マラソンを走った後、空路北海道に移動する。北海道で100名山登山で残されたトムラウシ山挑戦は、青森マラソンに参加する流れで計画する。トムラウシ山は昨年8月29日に2回目の挑戦をしたが、大雨のため断念した。その時のメンバ-3人に声かけて、7月2日にリベンジすることで纏まる。私は病みあがりで、2ヶ月程全く運動してなく心配だ。北海道、東北地方は梅雨前線の影響で悪天が続いているのも気懸りだ。既に飛行機、宿泊すべての手配を済ませているので、予定通り決行する。
 青森マラソンは、体調不良のため5Km付近の最初の折返しで棄権する。トムラウシ登山のためと、前向きに考える。トムラウシ登山が精一杯の状態で登頂出来たことを思えば、途中棄権したことが幸いした。


2018年7月2日(月) 曇のち雨
 国民宿舎東大雪荘(3:03 23分) ⇒ トムラウシ短縮コ-ス登山口Map (3:26-3:40 25分) ⇒ 温泉コ-ス分岐(4:05 46分) ⇒ カムイ天上(4:51 1時間57分) ⇒ コマドリ沢(6:48 32分) ⇒ 前トム平取付標識(7:20 35分) ⇒ 前トム平(7:55 46分) ⇒ トムラウシ公園(8:41 1時間8分) ⇒ 十勝岳分岐(9:49 44分) ⇒ トムラウシ山頂(10:33)

 天気予報どおり曇ながら、雨は完全にあがっていた。トムラウシ短縮コ-ス登山口まで車で行き、そこを3時40分に出発する。トムラウシ山は標高2,141mで決して高くないが、ここから山頂までの標高差1,181m、距離9.2Kmあり、結構ハ-ドな登山だ。カムイ天上までは泥んこ状態の登山道を、スリップと登山靴の浸水に気をつけながら、ジグザグ歩行を余儀なくされる。熊笹を中心とした低灌木帯で覆われている。25分で温泉コ-ス分岐を通過し、1時間10分でカムイ天上に達する。トムラウシ短縮コ-ス登山口から温泉コ-ス分岐まで1.1Km、カムイ天上は通過点で前トム平まで6.6Kmの長丁場だ。
 カムイ天上から泥んこの登山道と、木道の単調な上りとなる。そこから下りが続き、その先に急勾配の雪渓が現れる。そこを下りきるとコマドリ沢分岐まで歩き易い雪の巻道となる。ペンキとテ-プで表示があるため迷うことはない。コマドリ沢まで下り、沢は難なく渡れた。そこから本登山一番長い雪渓の上りとなる。アイゼンは無くても良さそうだが、登り易くするためアイゼンを装着した。雪渓上部の前トム平取付標識から前トム平まで砂礫帯の急登となる。ロ-プで区画されているので、安心して歩ける。私は35分で何とか前トム平につくが、息のあがりで体力低下を全身で感じる。連れに引返すかといわれるが、その選択はない。視界が開けるが、ガスッて近回りしか見えない。ここから先山頂まで、残すところ2.6Kmだ。はい松とガレ場のゆるやかな稜線を暫く進むと、急な岩場にぶつかる。そこを上りきると、トムラウシ公園の池と点在する雪渓群が眼下に広がる。トムラウシ公園内はロ-プで通路を指定されているが、雪渓と小川の横断のため外れざるを得ない。この付近から早時期の高山植物が群落する。特にシャクナゲの可憐な白い小さな花が目を癒す。ここのシャクナゲは地を這って低木で可愛い。他にチングルマ、エゾツツジ、エゾノツガザクラ、エゾノハクサンイチゲ、チシマノキンバイソウ等に出会う。ゆるやかな開けた登山道を1時間程かけて進むと十勝岳分岐だ。そこから急登の岩場となるが、山頂まで後わずかで多少余裕が生まれる。それでも40分を要し、山頂に着くまで非常に長く感じる。10時33分登頂で、トムラウシ短縮コ-ス登山口から7時間近くかかる。トムラウシ山頂(2,141m)はガスの中で何も見えない。
 遅い朝食を摂っていると、時折ガスが消えて十勝連峰が姿を現す。十勝岳に繋がる稜線の左端に、はっきり美瑛富士を確認する。大雪山系の主峰旭岳方向は、ほんの僅かだけしか見えず。山頂は我々4人と男2人連れ、女2人連れの8人だけだ。

 トムラウシ山頂(10:59 39分) ⇒ 十勝岳分岐(11:38 51分) ⇒ トムラウシ公園(12:29 37分) ⇒ 前トム平(13:06 27分) ⇒ 前トム平取付標識(13:33 16分) ⇒ コマドリ沢(13:49 1時間51分) ⇒ カムイ天上(15:40 50分) ⇒ 温泉コ-ス分岐(16:30 30分) ⇒ トムラウシ短縮コ-ス登山口(17:00-17:05 20分) ⇒ 国民宿舎東大雪荘(17:25)

 30分程山頂に留まり下山を開始する。トムラウシ公園まで、十勝岳方向のガスはほゞ無くなり、快適な山歩きとなる。そのあたりから、水滴が顔にあたるようになる。前トム平から再び回復したが、一番長い雪渓を下りきったコマドリ沢から本格的に降り始める。体力低下の私は、集団から遅れぎみとなり、つらい時間を過ごすことになる。カムイ天上まで一旦上るが、なかなか登りきれない。そこからの下りが、上りの反動で思うように進まない。カムイ天上が遠い。どろんこの登山道が疲れに拍車をかける。這う這うの体でカムイ天上につくと、先行の仲間が待っていてくれた。先が見えたので、多少元気がでる。萎える気持ちを維持するのが精一杯だ。温泉コ-ス分岐まで長かったが、その先1Kmも気持ちが先行して何倍にも感じた。6時間を要して、ようやくトムラウシ短縮コ-ス登山口につく。登山靴は泥だらけ、雨具は着るタイミングを逃し濡れネズミだ。またブヨ、カの数が半端ではなく、いらいらさせる。早々に車に乗込み、東大雪荘に急ぐ。車と登山靴を洗い、ようやく落ち着く。温泉と夕食のビ-ルが登山後の至福の楽しみだ。布団に入ると皆直ぐ静かになる。


高山植物

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ショウジョウバカマ


撮影日:2018年7月2日
撮影地:トムラウシ公園
     ~十勝岳分岐
科/属:シュロソウ/ショウジョウバカマ

キバナシャクナゲ


撮影日:2018年7月2日
撮影地:トムラウシ公園
     ~十勝岳分岐
科/属:ツツジ/ツツジ

エゾコザクラ


撮影日:2018年7月2日
撮影地:トムラウシ公園
     ~十勝岳分岐
科/属:サクラソウ/サクラソウ

エゾツガザクラ


撮影日:2018年7月2日
撮影地:トムラウシ公園
     ~十勝岳分岐
科/属:ツツジ/ツガザクラ

エゾノハクサンイチゲ


撮影日:2018年7月2日
撮影地:トムラウシ公園
     ~十勝岳分岐
科/属:キンポウゲ/イチリンソウ

チングルマ


撮影日:2018年7月2日
撮影地:トムラウシ公園
     ~十勝岳分岐
科/属:バラ/ダイコンソウ

キバナシャクナゲ


撮影日:2018年7月2日
撮影地:トムラウシ公園
     ~十勝岳分岐
科/属:ツツジ/ツツジ

チシマキンバイソウ


撮影日:2018年7月2日
撮影地:トムラウシ公園
     ~十勝岳分岐
科/属:キンポウゲ/キンバイソウ

ミヤマキンバイ


撮影日:2018年7月2日
撮影地:トムラウシ公園
     ~十勝岳分岐
科/属:バラ/キジムシロ

イワウメ


撮影日:2018年7月2日
撮影地:トムラウシ公園
     ~十勝岳分岐
科/属:イワウメ/イワウメ