塩見岳登山記
はじめに
南アルプスで残された100名山登山の一環です。同行者は、このところずっとご一緒している友人です。この7月に登った白鳳三山同様、天気予報を信用して予定を1日順延した。見事に予想が的中し、8月4日の登頂日は素晴らしい天気だった。富士山、八ヶ岳、中央アルプス、南アルプスのほゞすべての100名山を見通すことが出来た。この時期、高山植物の観察も一つの目的です。予想に違わず沢山の高山植物が咲き誇っていた。
2017年8月3日(木) 曇
松本IC(5:47 51分) → 松川IC(6:38 1時間6分) → 越路駐車場➠ Map (7:44:-7:57 41分) → 鳥倉登山口(8:38)
鳥倉登山口(8:40 56分) ⇒ 三伏峠小屋まで2Km(9:36 40分) ⇒ 三伏峠小屋まで1Km(10:16 2分) ⇒ 水場(10:18-10:20 25分) ⇒ 塩川小屋分岐(10:45 25分) ⇒ 三伏峠小屋_2,580m(11:10-11:27 4分) ⇒ 荒川岳分岐(11:31 20分) ⇒ 三伏山_2,615m(11:41 1時間) ⇒ 本谷山_2,658.3m(12:41-12:43 1時間39分) ⇒ 塩見新道分岐(14:22 16分) ⇒ 塩見小屋_2,766m(14:38)
今回塩見小屋までの登山時間が長いので、友人には我家に前泊してもらう。5時35分に我家を出発して、越路駐車場に7時48分に到着する。平日にも関わらず駐車場はほゞ満車状態だった。少し待てば鳥倉登山口までのバスがあるが、登山届けを済ますと、越路ゲート横を通り林道を歩き始める。舗装された広い林道で、自転車で行く人もいるらしい。でも重いリュックを背負って行くのはしんどそう。林道脇には、オリヅルソウ、ミヤママンネングサ、ミヤマシャジン等が隙間なく咲いているので、飽きることなく歩くことが出来た。鳥倉登山口まで41分で、ほゞ標準タイムで着く。
程なく大勢の登山客を乗せた路線バスが到着する。混雑を避け、急いで出発する。20分程進むと、三伏峠小屋まで1/10の案内板に行き着く。鳥倉登山口から三伏峠小屋まで、10刻みされて表示板があるので励みになる。2/10近くまで、地表がシダに覆われたなだらかなカラマツ帯を進む。豊口山腹の進行方向右側につけられた登山道を暫く進むとコルに達する。そこを過ぎると、やがて斜面が左に変わる。4/10を超えた先に最初の丸太の桟道があり、湿っていることもあり非常に滑りやすい。登山道は細くなり、左側が大きく切れ込んでいるので、躓かないよう気を配る。6/10の先に、三伏峠小屋まで1Kmの標識があり、約1時間と表記している。そこから2分程行くと、ちょろちょろの水場がある。その付近から、丸太の桟橋が増えてきて、7/10から8/10にかけて特に多い。進行方向左が大きく落ち込んでいるので、土手が崩れるのだろう。8/10のすぐ先に、今はクローズされた塩川小屋への分岐がある。暫く進んで、最後のガレ場の急登を上れば三伏峠小屋だ。ここまで2時間30分を要したので、平均15分ペ-スで10刻みされた区間を進んだことになる。
20分近く休憩し、その間に少し腹ごしらえしたり、山小屋前の高山植物を見たりして過ごす。そこから少し下ると、荒川岳との分岐に達する。ぬかるんだ平坦な登山道をしばらく進み、上り返すと三伏山だ。あいにくガスで何も見えない。そこから標高差43mの本谷山に向けて、一度下って上り返す。1時間を要す。本谷山頂上付近には石楠花の群落があり、時期的には遅いが白い花をつけていた。石楠花は水はけの良い、山頂付近とか稜線に多く見かける。塩見小屋との標高差は100m程なので、楽勝と思ったが以外に足を使う。本谷山からアップダウンを繰り返し、塩見新道分岐に達すると後少しだ。最後の急坂を上ると、狭い高台に建っている塩見山荘が目に入る。ここまで、越路駐車場から6時間41分を要す。最近建て直された塩見小屋は、寝具は寝袋で携帯トイレを使っている。ここまで、ガスがかかり何も見えなかったが、霧雨程度の雨で済み、逆に涼しく登れたので良かった。
17時の夕食後、外に出るとガスが薄れ、塩見岳が見え隠れする。18時30分頃から、夕日に彩られた農鳥岳が見え始める。更に雲が右に流れ、間ノ岳も顔を覗ける。明日の天気を期待して、20時に就寝する。
2017年8月4日(金) 晴のち曇
塩見小屋(5:39 59分) ⇒ 塩見岳西峰_3,047.3m(6:38-6:44 3分) ⇒ 塩見岳東峰_3,052m(6:47-7:08 5分) ⇒ 塩見岳西峰(7:13 48分) ⇒ 塩見小屋(8:01)
塩見小屋(8:15 11分) ⇒ 塩見新道分岐(8:26 1時間12分) ⇒ 本谷山_2,658.3m(9:38 1時間7分) ⇒ 三伏山_2,615m(10:45 8分) ⇒ 荒川岳分岐(10:53 3分) ⇒ 三伏峠小屋_2,580m(10:56)
三伏峠小屋(11:01 17分) ⇒ 塩川小屋分岐(11:18 23分) ⇒ 鳥倉登山口まで2Km(11:41 2時間19分) ⇒ 鳥倉登山口まで1Km(12:11 41分) ⇒ 鳥倉登山口(12:53 45分) ⇒ 越路駐車場(13:32 5分)
越路駐車場(13:35 1時間11分) ⇒ 信州まつかわ温泉清流苑(14:46-15:37 7分) ⇒ 松川IC(15:44 50分) ⇒ 松本IC(16:34 14分) ⇒ 松本駅(16:48)
未明にトイレのため山小屋を出ると、満天の星空の下で南アルプスの主峰群が姿を見せている。塩見岳は雲一つなく、眼前に聳えている。5時に朝食を済ませ、急いで支度をするが、出発は5時39分になる。このままガスが発生しないことを祈って、塩見岳の雄姿を撮る。ザックは塩見小屋前にデポしていくので、殆ど空荷の塩見岳のピストンだ。暫く進むと、天狗岩の急な岩場となる。昨夜、女性の登山客から危ないところがあると聞かされていたが、私は普通の岩場に感じた。岩場の至る所に夥しく高山植物があるので、写真撮影に忙しい。塩見岳西峰(3,047.3m)に1時間程で到着する。目の前に雲海を突き出た富士山が、優雅な山容を見せている。360度の大パノラマの中にしばし立ち竦む。ぐずついた天気が続いていたが最高の天気で、この瞬間のため延々登って来たのだ。
塩見岳東峰はすぐそこで、岩の塊状に盛上って見える。西峰より5m程高く、塩見岳東峰(3,052m)の方がさらに眺めが良く、南アルプスの稜線が全体的に見通せる。雲海に浮かぶ富士山は格別だ。
農鳥岳から間ノ岳に続く大きな山塊、その奥に北岳、甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳が続く。南に目を転ずれば、荒川岳から遠く光岳まで望める。さらに八ヶ岳、秩父、中央アルプスの山群もはっきり見える。北アルプスも遥かかなたに確認出来る。居合わせた登山者は、口々に素晴らしいと連呼していた。去り難く、山頂にかなりの時間留まる。
後は下るのみで、上りで高山植物は撮り尽くしたので、写真を撮ることもない。双峰の塩見岳を写真に収め、塩見岳東峰から塩見小屋まで53分で下る。そこで暫く休憩して、今日は三伏山まで見通せるので、気分的に楽な下山を開始する。その頃になって塩見岳にガスが罹り初めていた。本谷山までは、標高差があまりないアップダウンを繰り返すので長く感じる。本谷山から間ノ岳方向、塩見岳は雲の中に消えていた。塩見小屋から本谷山まで1時間23分、三伏山まで2時間30分、三伏峠小屋まで2時間45分で下る。ちなみに上りは3時間11分だ。
三伏峠小屋からは、10刻みの案内板を区切りに、ただひたすら下る。平日にもかかわらず、大勢の登山者とすれ違う。三伏峠小屋から鳥倉登山口まで1時間52分で、1刻み平均11分だった。バス待ちの登山者がいたので話をしていたところ、今日の泊りが大鹿村だったので、私の車に乗せることにした。40分程で越路駐車場に着き、大鹿村で同乗の登山者を降し、信州まつかわ温泉清流苑に向かう。温泉立ち寄りは、登山後の楽しみに定着してしまった。
立ち寄り温泉
小渋温泉赤石荘(0265-39-2528)
・所在地:長野県下伊奈郡大鹿村大河原4869-2-1
・浴室:内風呂、露天
・方式:加温
・泉質:Na-塩化物,炭酸水素塩冷鉱泉(13.9℃)
・営業時間:11:30~19:00
・休館日:木曜、12~3月
・入湯料:大人:500円
・割引:
・観光スポット:赤石岳、大鹿歌舞伎
遠山温泉郷かぐらの湯(0260-34-1085)
・所在地:長野県飯田市南信濃和田夜川瀬
・浴室:内湯、露天、寝湯、打たせ湯、サウナ
・方式:加温
・泉質:塩化物温泉(43.1℃)
・営業時間:10:00~21:00(受付20:30)
・休館日:木曜
・入湯料:大人:600円
・割引:ガイドブックに100円割引券
・観光スポット:しらびそ高原、下栗の里