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北岳登山記

はじめに

 夏季休暇の友人2人と妻、娘による5人の山行です。土曜日は山小屋が混むことを想定して、日曜日に登る計画とした。結果的に天気が最高の日に登頂することが出来た。私は1990年夏に左俣コ-ス経由で山梨県北岳小屋に泊まり、間ノ岳、農鳥岳を縦走して大門沢経由で奈良田まで歩いている。北岳は後に取っておくことにしたが、その日から28年後に北岳に登頂することになるとは思いもよらなかった。当時の写真は少なく、天気が良かったことしか記憶にない。30年近い経年は、体力の衰えを感じる登山となる。白峰三山は昔のままだが、登山層が大きく変わった。若い女性、単独者が増え、外国人の姿を見かけるようになった。


2018年8月5日(日) 晴
 梓川スマ-トIC(6:08 58分) → 白根IC(7:05 35分) → 芦安市営駐車場Map (7:40-7:50 41分) → 野呂川広河原インフォメ-ションセンタ-(8:40-9:17 5分) → 広河原山荘(9:22)
 広河原登山口(9:30 21分) ⇒ 白根お池小屋分岐(9:51 1時間23分) ⇒ 二股まで1時間地点(11:14 1時間25分) ⇒ 二股(12:36-12:41 2時間11分) ⇒ 白根お池小屋分岐(14:52 40分) ⇒ 小太郎山分岐(15:32 24分) ⇒ 肩の小屋北稜線(15:56 13分) ⇒ 肩の小屋_3,000m(16:09)
 安曇野の我家に前泊して、6時頃出発する。梓川スマ-トICを6時8分に入り、中央道、中部横断道経由で白根ICを7時5分に出る。芦安温泉にナビを設定して、30分足らず到着するが、芦安市営駐車場はさらに奥にあり少し迷う。そこから 野呂川広河原インフォメ-ションセンタ-まで乗合タクシ-(1,200円)を利用する。インフォメ-ションセンタ-を出て、北沢峠道路ゲ-トを抜け、野呂川橋を渡ると、北岳登山口のある広河原山荘に着く。そこで登山届を済ませ、8時40分にスタ-トする。広い登山道を20分程歩くと、白根お池分岐に着く。
 私たちは大樺沢コ-スへと進む。このコ-スは沢沿い特有の大小の橋が多く配置され、大雨の後はよく登山禁止となる。つい数日前まで通行不能となっていたらしい。登山道には沢水が流れているが、気にする程ではない。登山道は沢沿いで低灌木の影となっているので、比較的涼しい。途中二股まで1時間の標識があり、ペ-スの確認が出来る。この付近から瓦礫が多くなり、登山道は狭いので、すれ違いに時間をとられる。高山植物をちらほら見かける。雪渓と公衆トイレが見えると、二股はまもなくだ。ここまで3時間強なので、いいペ-スだ。二股でコ-スが3つに分かれる。右に行けば白峰お池、左の沢に降りれば雪渓の残る左俣コ-スとなる。我々が行く右股コ-スは真っ直ぐ進む。30分程行くと植生保護された視界が開けた広場に出る。
 北岳の岩峰を左方に、足元の高山植物を見ながら歩を進める。暑さと疲れで休憩が多くなる。辛抱の時間を耐えると、やがて白根お池小屋分岐に達する。その標識に、肩の小屋まで約50分とある。そこから稜線までじぐざぐの急坂の登山道となる。稜線に出る直前で、私が正規の登山道を外れたため、同行者を確認するのに30分程タイムロスする。尾根に出ると小太郎山越に甲斐駒ヶ岳の白い三角錐が一際目立つ。小太郎山分岐の大きな標識が設置されている。
 また北岳に繋がる尾根道が遥か先まで続いている。いくつかの小ピ-クを超え、肩の小屋北稜線に着くと、肩の小屋はすぐそこだ。予定より1時間半遅れの16時9分に肩の小屋に着く。荷を降し一息つくと、待望のビ-ルにありつく。17時からの食事を済ますと、早々に部屋に戻る。明日はご来光を拝むため4時出発とする。予約していたためか、我々は個室に近い2階の部屋だった。階下には韓国人の集団が陣取っていた。いつの間にか寝付いていて、23時頃トイレで目が覚める。外は満点の星空で、流れ星が時に尾を引く。鳳凰三山方向の稲光が気になる。

2018年8月6日(月) 晴
 肩の小屋(4:11 16分) ⇒ 両俣小屋分岐(4:27 30分) ⇒ 北岳_3,193m(4:57-5:29 20分) ⇒ 吊尾根分岐(5:49 22分) ⇒ トラバ-ス道分岐点(6:11-6:46 22分) ⇒ 八本歯ノコル(7:08 34分) ⇒ 二股まで1時間地点(7:42 1時間37分) ⇒ 二股(9:19-9:35 54分) ⇒ 広河原まで1時間30分地点(10:29 48分) ⇒ 白根お池小屋分岐(11:17 16分) ⇒ 広河原山荘(11:33)
 広河原山荘(13:14 5分) ⇒ 野呂川広河原インフォメ-ションセンタ-(13:19-13:30 44分) ⇒ 芦安市営駐車場(14:14 46分) ⇒ 昼食(15:00-15:44 31分) ⇒ 武田乃郷白山温泉(16:15-17:01 16分) ⇒ 韮崎駅経由韮崎IC(17:17 52分) ⇒ 梓川スマ-トIC(18:09)
 3時半から登山準備をし、予定通り4時過ぎに出発する。岩稜の尾根をヘッドライトをたよりに慎重に進む。両俣分岐を過ぎる頃から、東の空が白み始める。心地良い温度、風は微風で360度のパノラマが望めるこの上ない天気だ。山頂と富士山を含めた山群を見ながら、両俣分岐から山頂に続く岩場を30分程登りつめると日本第二位の高峰北岳山頂(3,193m)に到達する。そこは、正に360度の大パノラマ拡がる天空の展望台だ。
 登頂に時間を合わせたように、鳳凰三山薬師岳付近から太陽が昇り始める。どの方向を見ても絵になる景観だ。北に甲斐駒ヶ岳、南東に富士山の秀麗な三角錐は絶好の被写体だ。
 北西に仙丈ケ岳、北東に鳳凰三山の山塊が指呼の先に見える。また北西方向には、中央アルプス、北アルプスがはっきり見える。遥か遠くに白山が姿を覗かせる。日が昇るにつれ、北岳の影が、西の山塊に富士山の様に裾野を広げる。
 北岳山荘から間ノ岳に続く登山道がすぐ先にみえるので、短時間で間ノ岳に登れると勘違いしそうだ。いつまでも居たい気持ちだが、30分程で下山を開始する。下山コ-スは変化をつけるため八本歯ノコル経由の左俣コ-スを選択する。メンバ-の一人は間ノ岳を往復して下山する。ガレ場の隙間に生える高山植物を撮影しながら吊尾根分岐に至る。ここでメンバ-の一人と別れる。さらに歩き難いガレ場を下り、北岳山荘トラバ-ス道分岐点に山頂から45分で達する。間ノ岳が間近に見え、景色の良いここで朝食タイムとする。食事が終わる頃、北岳山荘付近に別れた同行者を認める。
ボ-コン沢ノ頭との鞍部にある八本歯ノコルに向けて下る。ここから階段状の梯子が続く。ここまで高山植物の群落に目を奪われる。八本歯ノコルからは急斜面が続くが、梯子が整備されているので危険はない。
 急坂の梯子の連続で足に負担がかかる。また、片方にしか手摺がないのでより足元が気になる。やがて梯子が終わり、沢筋のザレたとジグザグの道となる。二股まで1時間の標識があるが、二股のトイレの赤い屋根はまだ見えない。北岳バットレスに圧倒されながら高度を落とす。雪渓が現れたところで、長い休憩を取る。雪渓が終わる頃から草木が現れ、多少暑さが緩和される。八本歯ノコルから二股まで、長い休憩で2時間11分かかる。ここから広河原まで標識によると2時間だ。しかし、暑さと足の痛さで小休憩が多くなり思うように進まない。途中で私が先行となり、二股から広河原山荘まで1時間58分で下る。
 ここで間ノ岳に登った同行者に連絡すると、既に二股まで下りてきていた。私から30分遅れで、相次いで3人が下山する。それから遅れること1時間で、最後の一人が到着する。予定より4時間近く多くかかる。八本歯ノコルは予定の時間だったが、遅れの要因は二股まで食事休憩で1時間、そこから広河原まで休憩で1時間、最後の一人を待つため2時間です。野呂川広河原インフォメ-ションセンタ-で乗合タクシ-にすぐ乗れ、芦安市営駐車場に14時過ぎに着く。ここからは、登山後の定番遅い食事を済ませ、温泉で疲れと汗を流す。


高山植物

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イブキボウフウ


撮影日:2018年8月5日
撮影地:北岳登山口~二股
科/属:セリ/イブキホウロウ
特 徴:細裂葉

イワベンケイ


撮影日:2018年8月6日
撮影地:北岳山頂~吊尾根分岐
科/属:ベンケイソウ/イワベンケイ
特 徴:三角状の鱗片葉

ウサギギク


撮影日:2018年8月5日
撮影地:小太郎分岐~北岳肩の小屋
科/属:キク/ウサギギク

キタダケヨモギ


撮影日:2018年8月6日
撮影地:北岳山頂~吊尾根分岐
科/属:キク/ヨモギ

キツリフネ


撮影日:2018年8月5日
撮影地:二股~小太郎分岐
科/属:ツリフネソウ/ツリフネソウ

キンロバイ


撮影日:2018年8月6日
撮影地:北岳吊尾根分岐~トラバ-ス道分岐
科/属:バラ/キジムシロ

クガイソウ


撮影日:2018年8月6日
撮影地:二股~北岳登山口
科/属:ゴマノハグサ/クガイソウ

クモマミミナグサ


撮影日:2018年8月6日
撮影地:北岳山頂~吊尾根分岐
科/属:ナデシコ/ミミナグサ
特 徴:5枚の花弁が深く2裂

シロバナタカネビランジ


撮影日:2018年8月6日
撮影地:北岳トラバ-ス道分岐~八本歯ノコル
科/属:ナデシコ/マンテマ

センジュガンピ


撮影日:2018年8月6日
撮影地:二股~北岳登山口
科/属:ナデシコ/センノウ
特 徴:葉は対生、花は2裂

タイツリオウギ


撮影日:2018年8月5日
撮影地:北岳登山口~二股
科/属:マメ/ゲンゲ
特 徴:葉先端丸み、豆果楕円

タカネシオガマ


撮影日:2018年8月6日
撮影地:北岳山頂~吊尾根分岐
科/属:ゴマノハグサ/シオガマギク
特 徴:萼は筒形

タカネツメクサ


撮影日:2018年8月6日
撮影地:北岳山頂
科/属:ナデシコ/タカネツメクサ
特 徴:マット状に広がる

タカネナデシコ


撮影日:2018年8月6日
撮影地:北岳吊尾根分岐~トラバ-ス道分岐
科/属:ナデシコ/ナデシコ

チシマギキョウ


撮影日:2018年8月6日
撮影地:北岳山頂~吊尾根分岐
科/属:キキョウ/ホタルブクロ
特 徴:鐘形5裂

トウヤクリンドウ


撮影日:2018年8月6日
撮影地:北岳山頂~吊尾根分岐
科/属:リンドウ/リンドウ

ハクサンフウロ


撮影日:2018年8月5日
撮影地:小太郎分岐~北岳肩の小屋
科/属:フウロソウ/フウロソウ

ハハコヨモギ


撮影日:2018年8月6日
撮影地:北岳吊尾根分岐~トラバ-ス道分岐
科/属:キク/ヨモギ

ミソガワソウ


撮影日:2018年8月6日
撮影地:二股~北岳登山口
科/属:シソ/イヌハッカ

ミネウスユキソウ


撮影日:2018年8月6日
撮影地:北岳吊尾根分岐~トラバ-ス道分岐
科/属:キク/ウスユキソウ

ミヤマアキノキリンソウ


撮影日:2018年8月6日
撮影地:北岳吊尾根分岐~トラバ-ス道分岐
科/属:キク/アキノキリンソウ

ミヤマオダマキ


撮影日:2018年8月6日
撮影地:北岳山頂~吊尾根分岐
科/属:キンポウゲ/オダマキ

ミヤマキンバイ


撮影日:2018年8月6日
撮影地:北岳吊尾根分岐~トラバ-ス道分岐
科/属:バラ/キジムシロ

ミヤマシシウド


撮影日:2018年8月6日
撮影地:北岳八本歯ノコル~二股
科/属:セリ/シシウド

ミヤマツメクサ


撮影日:2018年8月6日
撮影地:北岳山頂~吊尾根分岐
科/属:ナデシコ/タカネツメクサ

ミヤマハナシノブ


撮影日:2018年8月6日
撮影地:北岳八本歯ノコル~二股
科/属:ハナシノブ/ハナシノブ

立ち寄り温泉
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山梨県

白山温泉(0551-22-5050)Map

武田乃郷にある天然掛け流しの美人の湯です。露天風呂から、八ヶ岳、茅ヶ岳方向の山並みと、夜は韮崎市の夜景が眺望できる。

 ・所在地:山梨県韮崎市神山町鍋山1809-1
 ・浴室:内風呂、露天
 ・方式:源泉かけ流し
 ・泉質:Na-塩化物・炭酸水素塩泉(45.5℃)
 ・営業時間:10:00~21:00
 ・休館日:水曜
 ・入湯料:大人:600円
 ・観光スポット:武田乃郷、わに塚の桜