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笠ヶ岳(2,898m)~黒部五郎岳(2,840m)縦走登山記

はじめに

 本登山は、知人二人と3人連れの2泊3日の山行です。知人の要望は白馬岳、双六小屋を中心にした山群だったので、私が登っていない笠ヶ岳から黒部五郎岳を縦走することにした。1日目は新穂高温泉から笠ヶ岳、2日目は三俣蓮華岳を経由して黒部五郎岳、3日目は新穂高温泉に下山するハードスケジュールです。知人の一人は、縦走が初めてということで多少不安を感じていたようだ。事前の天気予報が芳しくなかったので、それも不安の一要因です。2日目以降天気が上向くことを期待して、予定通り出発することにした。本縦走コ-スは眺めがすばらしく、花の100名山が3座含まれているので、天気が良く花の季節に登りたかったのだが。


2016年9月23日(金) 雨
新穂高登山指導センタ-Map (7:55 1時間3分) ⇒ 笠新道入口(8:58 1時間16分) ⇒ 杓子平中間点(10:14 1時間29分) ⇒ 杓子平(11:43 1時間26分) ⇒ 笠新道分岐(13:09 34分) ⇒ 抜戸岩(13:43 31分) ⇒ 笠ヶ岳山荘(14:14-15:46 9分) ⇒ 笠ヶ岳(15:55 16:04 8分) 笠ヶ岳山荘(16:12)
 知人二人が前泊した安曇野の我家を6時丁度に出発する。早い時間帯だったので、新穂高温泉まで1時間20分程で到着する。私が無料駐車場に車を停めにいく間に、新穂高登山指導センタ-で登山届けをする。この天気にかかわらず、駐車場はほゞ満車に近い。準備に多少時間を要し、出発は8時になってしまう。予報通り登山初日は、霧雨の中をスタ-トとなる。雨は強くなったり、小降りになったりの繰り返しです。ただ、風が強くないのが幸いです。笠新道入口までの3Km程の林道を、1時間のゆっくりペ-スで進む。笠新道は急斜面で知られている。ぶな・ならの樹林帯を抜けると足の悪い岩場となる。雨の中をもくもくと登り続けると、1時間14分で杓子平までの中間点に達する。ほゞ同じくらいの時間で杓子平に着く。知人二人に先行して着き、待つことにしたが、雨と風で体が冷えるので、そのまま歩き続ける。
カ-ルを横切る緩斜面を進むと、徐々に傾斜がきつくなり、ガスで視界のない稜線に達する。そこを少し下ると、双六岳、笠ヶ岳分岐の笠新道分岐の標識に出る。そこを左に折れ、穏やかなアップダウンを繰返し、ほゞ中間の抜戸岩を抜け、キャンプ場を過ぎると笠ヶ岳直下の笠ヶ岳山荘に至る。山荘まで0.2Kmの表示から、非常に長く感じる。笠ヶ岳はガスの中にある。知人二人は、30分以内に順次到着する。明日の早立ち、不明確な天気を考えて、今日中に登ることにする。笠ヶ岳山頂(2,898m)は全く視界がないので、写真を撮るとすぐ下山する。30分以内の駈足登山だ。17時から食事となる。食後することがないので、談話室で本を読んで過ごす。21時の消灯を機に就寝する。

2016年9月24日(土) 晴後曇
笠ヶ岳山荘(4:54 35分) ⇒ 抜戸岩(5:29 33分) ⇒ 笠新道分岐(6:02 11分) ⇒ 抜戸岳(6:13 1時間7分) ⇒ 秩父平(7:20 1時間41分) ⇒ 弓折岳(9:01 10分) ⇒ 弓折乗越(9:11 52分) ⇒ 双六小屋(10:03 10分)
双六小屋(10:15 16分) ⇒ 双六岳分岐(10:31 1時間24分) ⇒ 三俣峠(11:55-12:09 25分) ⇒ 三俣蓮華岳(12:34-12:38 10分) ⇒ 黒部五郎小屋(10:15)
黒部五郎小屋(13:58 1時間23分) ⇒ 黒部五郎岳(15:21-15:24 1時間10分) ⇒ 黒部五郎小屋(16:34)
 4時半頃に目覚め出発準備する。月と星が見えるので、天気は良いだろう。山荘を出ると、ヘッドランプが数多く山頂に続いている。黒部五郎小屋に至る長丁場を考えて、山頂に登らず5時前に出発する。これから稜線の登山道なので、笠ヶ岳山頂と変わらない御来光が拝めるだろう。残念ながら東の山並みには雲がかかって、一部赤焼けが見えるだけだ。日が明けるに従い、昨日見えなかった笠ヶ岳が鮮明に望める。写真を撮りながら、快適な尾根歩きを楽しむ。槍、穂高の山塊は、雲に覆われ見えないが、時折穂高の上部、槍ヶ岳の尖塔が雲間に覗く。左には黒部五郎岳が裾野を広げ、その右奥に薬師岳が鎮座する。今日あそこまでいくことを思えば気が萎える。抜戸岳山頂(2,813m)に立寄り、笠ヶ岳と別れる。
 一旦秩父平まで下り登り返す。昨日、知人二人は多くの子連れ雷鳥に遭遇したらしいが、私は遭うことがなかった。秩父平を登り切ったところで、一匹の雷鳥を見ることが出来た。この時期の雷鳥は、下半身が白である。笠新道分岐から3時間で、弓折岳に至る。弓折岳山頂(2,588m)は、登山道から少し逸れたところにあるので、素通りしそうだ。復路に通る鏡平山荘との分岐は、そこを少し下ったところだ。そこから小さなアップダウンを経て、双六小屋が見えたあたりから穏やかな下りとなる。笠ヶ岳山荘から双六小屋まで、約5時間の稜線歩きだった。双六小屋には多くの登山者がたむろしている。小屋正面に鷲羽岳がどかっと居座る。残念ながら、槍穂方向は雲に隠れている。
 暫く休憩の後、時間を気にしながら登山を再開する。三俣蓮華岳へは、登山ガイドに従い巻き道コ-スを選択する。後で考えると、三俣山荘だとこのコ-スで、三俣蓮華岳だと中道コ-スの方が 良かったように思う。三俣山荘分岐点の三俣峠で小休止する。時折槍ヶ岳の尖塔が雲間に覗く。三俣蓮華岳山頂(2,841m)に登ると、黒部五郎岳方向は雲がかなり沸いている。ハイマツ帯を下ると、三俣山荘分岐に出る。そこから尾根の右側に作られた登山道を進む。右側は大きく切れ込んでいる。よろけないよう注意して歩けば問題ない。大きく開けた場所に出て、矢印に従い左側に方路をとる。暫く開けた広い登山道を下ると、樹林帯の急坂となる。あまりに下るので、黒部五郎岳登山と帰りの登り返しが心配になる。黒部五郎小屋に13時39分に着く。予定より2時間早着する。
 明日のスケジュ-ルを考えると、天気は良くないが黒部五郎岳を往復する考えだ。黒部五郎岳の往復時間は、山小屋の主人から4時間の返答がある。知人一人はまだ到着していないが、事前に登らなくてよい了承を得ている。4時間だと、夕食の17時半に間に合わない。小屋の主人に、連れへの連絡と夕食時までに帰ることを約束して出かける。小屋を14時頃、二人で出発する。二人とも空荷なので、通常の2倍くらいの速さで進む。連れの先導で五郎のカ-ルまで一気に駆け上る。速度を維持したまま、稜線までの岩だらけの急坂を攀じ登る。そこから巨石ゴロゴロの尾根を、飛び歩いて黒部五郎岳に達する。山頂はガスの中で、黒部五郎岳(2,840m)の標識をすぐ確認出来なかった。写真を撮ると、すぐ下りにかかる。相当に急いだつもりだったが、復路は1時間10分で、往路の1時間23分と大差ない。それでも夕食には余裕で間に合う。17時半の夕食時には、ほゞ満員の登山客で、中にドイツ人グル-プがいた。夕食後の退屈な時間帯の過ごし方は、いつも悩む。それでも疲れて21時の消灯前に寝てしまう。夜中に何度か目を覚ます。

2016年9月25日(日) 曇
黒部五郎小屋(4:45 1時間5分) ⇒ 三股山荘分岐(5:50 29分) ⇒ 双六岳分岐(6:19 40分) ⇒ 中道分岐(6:59 21分) ⇒ 双六岳(7:20-7:32 29分) ⇒ 中道分岐(8:01 2分) ⇒ 双六岳分岐(8:03 9分) ⇒ 双六小屋(8:12)
双六小屋(8:22 54分) ⇒ 弓折乗越(9:16 33分) ⇒ 鏡平山荘(9:49-10:24 1時間7分) ⇒ 秩父沢(11:31 36分) ⇒ 小池新道入口(12:07 17分) ⇒ わさび平小屋(12:24-12:33 9分) ⇒ 笠新道入口(12:42 43分) ⇒ 新穂高登山指導センタ-(13:25)
 4時過ぎに目覚めると、連れの一人はすでに出発準備出来ていた。急いで身支度して、黒部五郎小屋を4時45分に出発する。ヘッドランプをたよりに、昨日下った急坂を三俣蓮華岳に向かって上り返す。昨日は疲れ切った状態での下山だったが、今日は出始めで元気だ。心配は危惧に終わる。広い登山道に変わる頃に、足元が見えるようになる。三俣蓮華岳山頂手前を右に入り、双六岳に向かう。この間1時間34分だ。丸山はその名のとおり、どこが山頂か解らなかった。中道分岐を双六岳方向に進む。岩場を登りつめると、双六岳山頂(2,860m)はすぐ傍だ。雲が多くて、360度の大パノラマは拝めなかった。寒さのため、早々に下山する。暫く下ると、大きな平坦地が続く。双六岳にこんなところがあるとは意外だった。そこから急坂を下り、中道分岐、双六岳分岐を経て双六小屋に至る。
10分程小休止して、歩き続ける。弓折岳手前の弓折乗越から小池新道に入る。鏡平山荘を見ながら下山するので、気分的に楽だ。そこから30分程で鏡平山荘に着く。ここも多くの登山客で賑わっている。連れはラ-メンを注文していたが、私はビ-ルのみとする。そこからわさび平小屋まで2時間、新穂高登山指導センタ-まで3時間で下りきる。下山届を出し、2泊3日の笠ヶ岳、黒部五郎岳縦走登山を終える。松本IC発18時30分のバスまで時間があったので、温泉と食事をすることにする。ひらゆの森で汗を流し、腹を満たす。30分程平湯大滝を見物して、松本ICバス停に向かう。そこでも時間を余すため、松本駅バス停から乗車することにする。17時40分に着き、知人二人とそこで別れる。

最寄りの温泉

岐阜県

平湯温泉ひらゆの森(0578-89-3338)Map

平湯温泉のすぐ入口にあり、駐車場の入口に足湯がある。露天風呂は7つあり、奥の2つは白濁している。売店、食堂があり、ゆっくり過ごせる。

 ・所在地:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯763-1
 ・浴室:内風呂、露天、サウナ、壷風呂
 ・方式:源泉かけ流し、加水
 ・泉質:単純温泉、Na-Ca-Mg炭酸水素塩・塩化物泉
     (67.7℃)
 ・営業時間:10:00~21:00(受付20:30)
 ・休館日:無休
 ・入湯料:大人:600円
 ・観光スポット:新穂高温泉ロープウェー、平湯大滝