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鳳凰三山登山記

はじめに

 本登山は、今年最初の100名山登山です。当初7月1(土)~2(日)日を予定していたが、1日は空模様が悪い予報だったので、1日繰下げることにした。このところ天気が悪い日が続き、登山愛好家にとってやきもきする毎日です。この時期、私が登っていない100名山13座の殆どに雪が残っているか、山小屋がオープンしてしていないため、横着登山の私の選択は鳳凰三山となった。青木鉱泉に車を置き、ドンドコ沢を登り鳳凰小屋で宿泊して、翌日鳳凰三山を縦走して中道を下るコースだ。薬師小屋が休業しているので、おのずとこのコーススケジュールとなる。早速いつもの友人を誘い、山小屋の予約をする。狙い通り7月1日は雨だったようで、繰下げのおかげで素晴らしい山行となった。ドンドコ沢沿いの4つの滝は水量が多く、予想を超える規模と美しさだった。地蔵岳、観音岳、薬師岳の縦走は、オベリスクと富士山を眺めつつ歩けるので飽きることがない。特に富士山の眺望は圧巻だった。残念ながら、北岳、間ノ岳は山頂付近が雲に覆われていた。登山者の数は多くなく、山小屋はゆったりで山の話題で退屈を紛らわせた。是非勧めたい山の一つになった。


2017年7月2日(日) 曇
安曇野S(7:05 57分) → 韮崎IC(8:02 8分) → 韮崎駅(8:10-8:45 45分) → 青木鉱泉駐車場Map (9:30)
青木鉱泉(9:54 20分) ⇒ 小武川第3砂防堰堤(10:14 1時間15分) ⇒ 南精進ヶ滝分岐(11:29 5分) ⇒ 南精進ヶ滝(11:34-11:41 31分) ⇒ 鳳凰ノ滝分岐(12:11 14分) ⇒ 鳳凰ノ滝(12:25-12:28 7分) ⇒ 鳳凰ノ滝分岐(12:38 1時間11分) ⇒ 白糸滝(13:49-13:56 31分) ⇒ 五色滝分岐(14:27 3分) ⇒ 五色滝(14:30-14:33 9分) ⇒ 五色滝分岐(14:42 56分) ⇒ 鳳凰小屋(15:38)
 韮崎駅で8時37分着のあずさを待ち、友人を車に乗せ青木鉱泉に向かう。当初、桐沢橋先の舗装された林道を通る予定だったが、通行止めになっていたため小武川林道を行く。所々未舗装区間があったが、気になる程ではない。青木鉱泉駐車場に45分で到着する。駐車場は既に満車状態に近かった。青木鉱泉で駐車料金として2日分1500円を払う。青木鉱泉の出発は9時54分となる。ドンドコ沢沿いを進むコースなので比較的涼しい。小武川第3砂防堰堤付近で防護柵工事のため迂回ル-トとなる。そこを超えると、樹林帯の石のごろごろした登山道となる。所々、沢を小さな滝状となって水が流れる。
 地蔵岳本道の分岐から南精進ヶ滝に向かう。南精進ヶ滝にドンドコ沢登山口から1時間40分で着く。南精進ヶ滝は思ったよりりっぱで、草木の無い岩盤を2段で一気に滑り落ちている。しばし留まり、展望台経由の違うルートで本道に戻る。40分進み鳳凰ノ滝分岐に達する。そこにザックを置き、手ぶらで鳳凰ノ滝に向かう。暫く行くと本道に戻れる別の道があり、損した気になる。鳳凰ノ滝に分岐から14分で着く。滝の近くには行けず、遠見の見物となる。そのため迫力には欠けたが、左右二方向から落ちる滝は珍しい。元の分岐に戻ると、30分近くかかっていた。
 そこから3番目の白糸の滝は、岩道を1時間強歩く本日1番の登りとなった。白糸滝は登山脇にあり、名前とは違い太い滝筋だった。近くの登山者から白糸じゃないねの声が聞こえる。糸を抜いて、白滝にした方が良いように思う。もっとも、昨日の雨で水量が増えて、姿が変わったのかも。最後の滝の五色滝は、そこから30分程である。分岐から少し入ると見えるが、滝近くまで下るとその長さを実感出来る。滝棚2段を経て、垂直に大きく落下する。時折ガスで視界が遮られたり、正面の太陽の逆光のためシャッターチャンスを待つことになった。ここまで登山口から4時間半かかったが、ドンドコ沢コースを滝見コースとすれば、格好のハイキングコースとして認知されるのでは。
 鳳凰小屋に、そこから1時間程で着いた。途中、河原に出たところで地蔵岳のオベリスクが見えた。鳳凰小屋のチェックイン後、ベンチで登山後の楽しみの冷えたビールで乾杯する。友人持参の日本酒とつまみで、しばし至極の時間を過ごす。その後、豆炭炬燵を囲んで、本日の宿泊者の登山談義に参加する。17時半から定番のカレーライスの夕食になったが、話は尽きることがなかった。従業員からこんな雰囲気の夕食はないので、是非写真を撮らせて欲しいとリクエストがある。その写真は、7月3日の鳳凰小屋ブログにアップされているのを、帰宅後確認する。就寝時間は7時半と、他の山小屋より早かった。


2017年7月3日(月) 晴
鳳凰小屋(6:13 45分) ⇒ 地蔵岳_2,764m(6:58-7:25 9分) ⇒ 赤抜沢ノ頭_2,750(7:34 33分) ⇒ 鳳凰小屋分岐(8:06 47分) ⇒ 観音岳_2,840m(8:40-8:48 38分) ⇒ 薬師岳_2,780m(9:26-9:30 5分) ⇒ 岩山(9:35-9:39 49分) ⇒ 御座石(10:28 2時間19分) ⇒ 薬師岳登山口(12:47 41分) ⇒ 青木鉱泉駐車場(13:28)
青木鉱泉駐車場(13:33 45分) ⇒ 白山温泉(14:18-17:05 5分) ⇒ 韮崎駅(17:15 6分) ⇒ 韮崎IC(17:21 1時間5分) ⇒ 梓川S(16:26)
 朝食は5時半だ。登山者は朝が早いので、大分前から支度を整え、何時でも出かける準備が出来ている。キャンプ地のテントはすべて撤収されていた。今日の天気は良さそうだ。私たちの出発は、最後の方になり、時計を見ると6時13分を表示していた。地蔵ヶ岳まで1.0Kmの案内板を確認して、両端が壁のようになった登山道を暫く進む。オベリスクが見えるあたりから、登山道は細かい砂礫になり非常に歩き辛い。徐々にオベリスクが大きくなり、何時の間にかオベリスクの岩山の付根に到達する。ここまで来れば、行くしかないと思い、オベリスク先端の一枚岩近くまで登攀することにした。危険は感じなかったが、上に行くに従って風が強くなり、写真を撮るのに苦労した。目的を果たし、地蔵岳を後にする。賽ノ河原からオベリスクと観音岳左の富士山を何度も振返る。沢山の地蔵さんが見送ってくれる。
 暫く登ると、甲斐駒ヶ岳方向との分岐赤抜沢ノ頭に達する。そこを左に折れ、オベリスクを左に、北岳、間ノ岳の大きな山塊を右に見ながら歩を進める。残念ながら、北岳、間ノ岳の山頂は雲に覆われていた。燕岳に似た白い岩肌の中を、ゆるやかなアップダウンの後、鳳凰小屋分岐に達する。途中、イワカガミの密集地を通過する。
 そこから、灌木と岩を縫いながら稜線を進む。進行方向の山塊に邪魔され見えなかった富士山が、突如現れた瞬間に登山者の多くが「おお!!」と感嘆の声を発した。それほど、大きく裾野を広げた富士は、秀麗な姿だった。そこからは、正面左に富士山を見ながらの快適な尾根歩きだ。ほどなく、鳳凰三山の最高峰の観音岳(2,840m)に到達する。花崗岩が積重なった山頂に立ち、飽きることなく薬師岳背後に聳える富士山を眺める。360度の大パノラマをしっかり写真に収める。立ち去りがたさを抑え、薬師岳に向けて出発する。
 薬師岳までは、見通しの良いなだらかな稜線歩きだ。薬師岳へは、38分の快適な時間となる。薬師岳(2,780m)山頂に少し留まり、近くのここより少し高そうな岩山に登る。ここでも、出発から時々顔を会わせ、鳳凰小屋でも談笑した、愛知県のグループと話をする。岩陰にハンショウヅルの蕾があることを教えられる。このグループとは、ここで最後の別れとなった。
 灌木帯の見通しのきかない尾根道を、ひたすら御座石まで下る。所要時間49分で、ほゞ標準タイムだ。そこから、笹原の混じった登山道となり、少し解放感がある。単調な登山道を、時に緩やかに、時に急坂となり続く。川の音が大きくなるのを励みに、ただひたすら下る。薬師岳山頂_3時間、青木鉱泉_1時間40分の標識を御座石から52分で、そこから薬師岳登山口まで1時間27分を要する。特に、標識から登山口まで、急坂があったこともあり長く感じた。登山口から林道を歩くことになり、標識には40分と記している。青木鉱泉駐車場まで早く歩いたつもりだったが、きっちり標識どおりの時間となった。
 休む間もなく、次の目的地である韮崎の白山温泉に向けて車を走らせる。温泉には14時18分に着き、友人の特急あずさの時間が16時53分なので、温泉でゆっくり疲れと汗を流す。1日ずらしたことにより、雨に会わず、素晴らしい滝と秀麗な富士山の姿が見られ、鳳凰三山の快適な稜線歩きが出来た、記憶に残る山行だった。


最寄りの温泉

山梨県

白山温泉(0551-22-5050)Map

武田乃郷にある天然掛け流しの美人の湯です。露天風呂から、八ヶ岳、茅ヶ岳方向の山並みと、夜は韮崎市の夜景が眺望できる。

 ・所在地:山梨県韮崎市神山町鍋山1809-1
 ・浴室:内風呂、露天
 ・方式:源泉かけ流し
 ・泉質:Na-塩化物・炭酸水素塩泉(45.5℃)
 ・営業時間:10:00~21:00
 ・休館日:水曜
 ・入湯料:大人:600円
 ・観光スポット:武田乃郷、わに塚の桜