四国遍路と街道(写真クリック⇒拡大)

四国八十八ヶ所

 サンチャゴ巡礼路を歩いていた時、同宿の巡礼者から四国八十八ヶ所と熊野古道のことを聞かれた。出発地と到着地、距離、所要日数等について質問があった。その時、私にはあまり知識がなかったので、きちんと答えることが出来なかった。
 帰国して四国八十八ヶ所参拝の総距離が、千キロ以上あることを知って驚いた。スペインの巡礼路Campo(カンポ)に四国八十八ヶ所の碑があった。後で知ったことだが、近くに記念館があるということだった。
 スペインでは巡礼者用宿泊所アルベルゲが沢山あり、安価で気軽に泊まれる。またバル等の比較的低料金で食事が出来るので、長期になっても経済的負担は少ない。その点、四国88ヶ所は宿坊が沢山あるが、そこそこの宿泊料のため、長期になると結構経済的負担になる。最近外国人が増えているが、交通費とともにそこがネックとなっている。サンチャゴ巡礼路(フランス人の道)は世界遺産になっており、四国八十八ヶ所も登録申請を検討していると聞く。グローバルな認知を得るには、そのあたりの改善が必要では?。
 私の実家は讃岐にあり、初詣は四国88番札所の大窪寺によく行きます。その他、白峰寺、根来寺、一宮寺、八栗寺、屋島寺にも時々参拝します。また金毘羅山にはよく行きますが、残念ながら神社のため四国88ヶ所には入っていません。私の四国八十八ヶ所巡りは、車によるもので、31番札所まで参拝した。巡礼というにはおこがましいので、近いうち徒歩によるお遍路に挑戦したいと思っている。1日25Km平均で歩くと、およそ45日かかるので、少なくても30万円以上要する。ツワーを利用すると100万円以上かかるだろう。徒歩によるお遍路は、健脚であるとともにお金が必須条件です !!。
 熊野古道は熊野本宮大社・熊野那智大社・熊野速玉大社の三山に向かう巡礼道をいう。京都・吉野・高野山・伊勢・田辺から、6本の道が続いている。全長が1,000km程で2府3県にまたがっている。2004年に紀伊山地の霊場と参詣道として200km程が世界遺産に登録されている。

 

五街道

 四国八十八ヶ所以外の日本の巡礼路で名の知れたものとして、熊野古道、西国三十三ヶ所がある。その他にも日本各地には様々な巡礼路がある。
 巡礼路とは言わないが、江戸時代の参勤交代制度により発展した宿場町を繋ぐ街道がある。その中で代表的なものが、五街道です。東海道五十三次(日本橋〜三条大橋)、中山道六十九次(日本橋〜草津)、甲州街道四十四次(日本橋〜下諏訪)、奥州街道二十七次(日本橋〜白河)、日光街道二十一次(日本橋〜日光)で、起点は当然ながら江戸になる。当時は多大な金と、時間を要した、大名にとっては苦役な旅だっただろう。しかし、宿場町及び関連施設には多大な恩恵を及ぼした。
 明治以降紆余曲折があり、今はすたれた宿場町もある一方、昔の景観を守り観光地として発展した宿場町もある。四国88ヶ所、熊野古道と同じように、起点から終点まで歩いて巡る者が珍しくなくなった。通しで巡る者、区間を区切って巡る者、特定の宿場町をピンポイントで訪ねる者等、沢山の人が訪れる。私もそんなことで結構な数の宿場町を訪れている。今回、距離が長い東海道(495.5km)と中山道(538km)に特化して、過去の旅の軌跡を辿ることにした。