(概要)
松原湖は、長野県南佐久郡小海町に位置する自然豊かな湖沼群で、八ヶ岳連峰の天狗岳が崩落した際に形成された堰止湖です。一般的に「松原湖」と呼ばれるのは、湖沼群の中でも最大の「猪名湖」を指すことが多く、これに「長湖」「大月湖」を加えた三湖が松原湖の中心を成しています。
湖の成因は、887年の仁和地震による天狗岳の山体崩壊に伴う岩屑なだれが大月川をせき止めたことによるもので、自然の力によって誕生した地形的にも貴重な湖です。湖面の標高は約1,123mにあり、面積0.12㎢・周囲1.96㎞で水深は最大で7.7mと比較的浅く、12月下旬から全面結氷し、諏訪湖と同様に「御神渡り」と呼ばれる氷の裂け目が現れることもあります。
湖周辺には約1kmの遊歩道が整備されており、四季折々の自然を楽しみながら散策することができます。特に秋の紅葉は見事で、湖面に映る八ヶ岳連峰の景色と相まって、訪れる人々を魅了します。春から夏にかけてはヘラブナ釣り、冬にはワカサギ釣りが盛んで、釣り人にも人気のスポットです。
観光施設としては、湖畔にある「松原湖温泉 八峰の湯」や「小海町高原美術館」などがあり、自然と文化の両面から楽しめるエリアとなっている。また、湖畔には「松原諏訪方神社」があり、国の重要文化財である「野ざらしの鐘」が保存されている。この鐘は、武田信玄が信濃攻めの際に略奪したとされる歴史的な遺物です。
さらに、松原湖はアニメ映画『君の名は』の聖地としても知られており、監督の新海誠氏がこの地で育ったことから、劇中の糸守湖のイメージに松原湖と大月湖が反映されていると語られている。そのため、聖地巡礼の目的で訪れる人もいる。
(アクセス)
JR小海線の松原湖駅から町営バスで約20分、車の場合は中部横断自動車道の八千穂高原ICから約18分で着く。➠ Map

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