(概要)
西海橋は、長崎県佐世保市と西海市を結び、大村湾と外海を隔てる針尾瀬戸に架かるアーチ橋で、1955(昭和30)年に完成した。戦後日本の復興期を象徴する大規模プロジェクトで、当時は東洋一の固定アーチ橋と称された。全長約316メートル、アーチ支間216メートルをもち、赤い鋼アーチが海峡の上に大きな弧を描く。
針尾瀬戸は潮の干満差が大きく、渦潮が発生する難所である。建設では急流や複雑な地形への対応が課題となり、国内外の最新技術が導入された。橋脚を持たないアーチ形式は景観に優れ、軍港佐世保と西彼杵半島を結ぶ重要路として地域発展に寄与した。後年、交通量の増加に対応して隣接地に新西海橋が建設され、現在は新旧二つの橋が並ぶ。
橋上や周辺の公園からは、時間ごとに表情を変える渦潮や行き交う船を眺められる。春には桜の名所として知られ、約千本の花がアーチと海峡を彩る。夜間のライトアップも美しく、観光客や写真愛好家を惹きつける。遊歩道や展望施設が整備され、ドライブや散策の拠点となっている。
西海橋の完成により、佐世保と西彼地域の往来は大幅に容易になり、物流や観光、通勤圏が拡大した。九十九島やハウステンボスへのアクセス向上にもつながり、長崎県北部の観光ルートの要となっている。長年の風雨と塩害に耐えるため、補修と保全が継続的に行われている。
この橋は、戦後の技術と希望を形にした近代遺産である。激しい潮流の上に描かれた赤いアーチは、人と海が向き合ってきた歴史を静かに物語る。西海橋を渡ると、海峡の息づかいと長崎らしい開放的な風景が心に広がる。
(アクセス)
車では、長崎市中心部から約60kmで1.5時間程です。佐世保市街から40分程です。福岡市街から2時間程です。駐車場は西海橋公園にあり、遊歩道があります。バス便は佐世保駅から西海橋西口行きに乗り約40分です。➠ Map

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