王妃の橋(Puente la Reina)

(概要)
 プエンテ・ラ・レイナの王妃の橋(Puente la Reina)は、スペイン北部ナバーラ州の同名の町にあるロマネスク様式の石橋で、サンティアゴ巡礼路を象徴する歴史的建造物である。11世紀、ナバーラ王妃ムニアドナ(またはドニャ・マヨール)の命により建設されたと伝えられ、巡礼者が安全にアルガ川を渡れるようにとの願いが込められている。橋の名「王妃の橋」もこの由来による。
 全長約110メートル、半円アーチが六連並ぶ端正な姿が特徴で、淡い黄褐色の石積みが中世の面影を色濃く残す。中央部にはかつて巡礼者を守護する聖母像が安置され、夜になると鐘が鳴って旅人に橋の位置を知らせたという伝承もある。町の入口に位置するこの橋は、フランスから来る複数の巡礼路が合流する要衝であり、「ここから道は一つになる」と語られてきた。
 周囲には石畳の旧市街やサンティアゴ教会など中世の景観がよく保存され、橋と一体となって巡礼文化の雰囲気を伝える。アルガ川の穏やかな流れにアーチが映り込む情景は、スペインでも屈指の美しさとされ、多くの巡礼者が旅の記念に足を止める場所である。近年は歩行者専用として保護され、補修を重ねながらも建設当初の構造をほぼ保っている。
 王妃の橋は単なる交通遺構ではなく、中世ヨーロッパの信仰と交流を象徴する存在である。幾世紀にもわたり無数の巡礼者を迎えてきた石のアーチは、今日もサンティアゴへの長い道のりを歩む人々を静かに見守り、プエンテ・ラ・レイナの町の心として息づいている。
(アクセス)
 パンプローナ・バスターミナル発のLa Estellesa 社などの路線バスに30分程乗り、Puente la Reina停留所に下車して旧市街まで徒歩10分程です。Map


 
 
 
 
 
 
 

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