(概要)
因島大橋は、広島県尾道市の向島と因島を結ぶ本州四国連絡道路・しまなみ海道の一部をなす吊り橋で、1983(昭和58)年に完成した。全長1270メートル、中央支間770メートルをもち、上層を自動車道、下層を自転車・歩行者道が通る二層構造が大きな特徴である。自転車で海峡を渡れる橋として早くから注目され、サイクリストの聖地・しまなみ海道を象徴する存在となった。
橋は瀬戸内海の布刈瀬戸に架かり、穏やかな海と島々の景観の中に白い主塔とケーブルが伸びる。下層の歩行者・自転車道は海面に近く、潮の香りや船の行き交う音を感じながら渡れるため、旅人に独特の臨場感を与える。晴れた日には遠くの島影や造船所のクレーン群が望め、夕暮れには海が茜色に染まる。
建設当時、強い潮流や複雑な地形への対応が課題となり、耐風・耐震を考慮した設計が採り入れられた。主ケーブルや主塔には高度な鋼構造技術が用いられ、瀬戸内の厳しい環境に耐える長寿命化対策が続けられている。橋の完成によって因島は本州側と陸路で直結し、造船や柑橘栽培で知られる島の産業や観光が大きく発展した。
周辺には因島水軍城やはっさく発祥の地など見どころが多く、橋は島めぐりの起点となっている。サイクリング大会やウォーキングイベントも開かれ、地域住民と来訪者を結ぶ交流の舞台となった。夜間にはライトアップが行われ、海上に浮かぶ光のラインが幻想的である。
因島大橋は、単なる交通施設を超え、瀬戸内の暮らしと文化をつなぐ「生活の橋」である。自転車でゆっくり渡れば、島々の距離の近さと海の豊かさを実感できる。人と島をやさしく結ぶこの橋は、しまなみ海道の魅力を静かに語り続けている。
(アクセス)
車は本州側(尾道・向島)は山陽自動車道尾道ICを出て25分程です。駐車場は向島側の大浜PA駐車場となります。バスは尾道・福山から高速バスしまなみライナーで因島大橋BS下車です。四国側(因島)はしまなみ海道因島北ICを出て因島大橋記念公園まで5分程です。駐車場は因島大橋記念公園駐車場となります。バスは予讃線今治駅から因島大橋BS下車で35分程です。➠ Map

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